ワールドカップ決勝戦

いや~、すごい試合でしたね。ワールドカップの決勝戦、アルゼンチン対フランス。私、ちょうど介護施設の夜勤中で、施設のテレビで観た(勤務中にサッカー観戦なんてけしからん話ですが、まあ許してちょ)が、仕事もせずに画面に釘付けでしたからね。サッカーでこんなに興奮したのは初めてかもしれない。それぐらい面白い試合だった。

面白かったというのは、PKまでもつれ込んだ、からではない。それまでの展開があまりにも劇的だったし、点が入らない時間でも、選手1人1人の個人技がとんでもなく高いレベルであることは、素人の私でもわかった。こんな試合を見せられると、日本はまだまだだなあ、と思わざるをえない。

などと偉そうに言いながら、じつは私、前半は観てなくて(夜勤は午前0時に記録やオムツ代えなど仕事が集中するので忘れてて)、後半がはじまる前に、あ、そうだ、と思い出し、慌ててテレビを点けると、前半はアルゼンチンが2―0でリード。メッシもPKだけどきっちり点を取っていて、さすがですな。

どうやら今回はアルゼンチンの優勝だな、と思った矢先、フランスが立て続けに2点。しかも、2点ともエムバペ(だっけ?変な名前だね)が決めて、おお、スーパースター同士のガッツリ点を取り合い。これにはシビれましたねえ。

そして同点のまま時間切れ。延長戦の後半で、今度はメッシの劇的ゴール。やっぱりメッシだ。今回のワールドカップは、メッシのためにある大会だった。と、べつにメッシのファンではないけど思わず感動さえしかけたその直後、またしてもエムバペがPKをきっちり決めたではないか。

いやはや、こんな展開、誰が予想できただろうか? あまりに劇的な展開に私、鳥肌が立ちました。年甲斐もなく。もちろんPK戦も、やらなきゃいけない仕事はあるのにほっぽり出して、食い入るように画面を見つめ、フランスの選手が外したときは思わず、ああっ、と声を上げてしまいました。年甲斐もなく。

かくして、アルゼンチンの36年ぶり3回目の優勝(らしいです)で幕を閉じた今回のワールドカップ。今までサッカーで一喜一憂する人を、どちらかと言えば冷ややかな目で見ていた私、とくに渋谷でバカ騒ぎする若者は文字通りの馬鹿者だと思っていたけど、この決勝戦を観て、少しはサッカーで興奮する気持ちがわかったかな。

サッカーの画像

決勝の両チームの選手では、メッシとエムパぺしか知らなかった私でも、べつにアルゼンチンやフランスを応援していたわけでもない私でも、こんなに面白く観れたのだから、すごいよねえ。やっぱり、各国の代表選手が、国家の威信やプライドをかけて戦う、ってのがいいんでしょうな。

でも、ワールドカップの話はこれで終わりにします。なぜなら、何度も言うが、なにしろ素人なので、これ以上話を続けても、すごかった、とか、面白かった、とか、誰でも言えるようなありきたりのことしか言えないので。

いや、素人ながらに、私独自の観方というものが、あるにはあるんだけどね。それは、日本代表の吉田麻也選手や堂安律選手のことを書いた回を読んでもらえれば、わかる人にはわかると思うが、要するに、選手を“顔”で見る、というもの。サッカーの実力なんか関係なく、こいつはこんな顔してるからダメ、とか、こういう顔したヤツがやってくれそうだ、とか、当たるか当たらないかは別として、勝手なことを言いたい放題。まあ、何の根拠もない、ただのカンだけど。「人は意外と見かけによる」と「人の性格はたいがい“顔”に表れる」というのが私の持論である。

しかし、これが外国人になると、まあ、わからない。たとえばメッシなんか、顔だけみたら、あんなすごいスーパースターだとは、とても思えないからねえ。クロアチアのモンチッチ、違った、モドリッチにしてもしかり。彼のことは今大会で初めて知ったが、顔だけみたら、そんなすごい選手には見えなかった。後で聞けば、どうやら彼も祖国では英雄の1人のようで、失礼こきました。

もっとも、クリスチアーノ・ロナウド、彼は私から見てもスーパースターの顔をしている、と思う。端正な顔立ちの奥に意思の強さを秘めている(ちょっと神経質そうだけど)ような顔だと、私は見ていた。今大会は残念だったけど。

では、エムべパはどうか、と聞かれたら、これは皆目わからない。いや、わからなかった。大会前にメッシとエムべパとネイマールの3人で来日してたのをテレビで見たときも(この3人が、パリ・サンジェルマンだっけ?同じチームにいるというのもすごいよねえ)、メッシとネイマールはもちろん知っていたが、エムべパは知らなくて、誰だこいつ?と思っていた。それが今大会ではメッシに勝るとも劣らない大活躍。黒人は、黒人というだけで、身体能力がすごい、という固定概念があるから、見方を誤りやすいんだよな。

それにしても、フランスチームはほとんど黒人じゃないか、と突っ込みを入れたのは私だけではない、と思うが、ここではそこはあまり触れないで(人種差別になるといけないからね)、今回はこれにて。私にしては珍しく文章短めで終わるのは、ワールドカップの決勝戦を観て、感動したので、その余韻冷めやらぬうちに書きたかった、というただそれだけの理由から。たまにはこういう回もあっていいんじゃね?