人の出生は戸籍法により、生後 14 日以内に出生の届出をしなければならないと規定されていますが、 親の諸事情によりこれが行えず無戸籍となる児童が生まれています。このことにより、国民なら誰もが 受けられるはずの行政サービスが受けられず、多大なハンディキャップに苦しむ方が少なくありません。
具体的には、住民票の作成やパスポートの発給申請、国民健康保険の加入、運転免許証の取得、選挙権 の行使などが挙げられます。当然ながら、日常の生活に多大な制約がかかり、進学や就職の際にも困難が 待ち受けています。これらのことから、人間の尊厳に関わる社会問題として近年、クローズアップされる ようになりました。
下記の表は、法務省の「届出のあった無戸籍者」の数字です。これは届出のあった人数であって、実際 には、届けられていない方を含めると一万人とも推計されています。

現在、超党派の国会議員による「無戸籍問題を考える議員連盟」(会長:野田聖子衆院議員)によって、 無戸籍者の不利益解消と救済に向けた取り組みが進められ、上川法務大臣の指揮のもとに「無戸籍者ゼ ロタスクフォース」が法務省に設置されました。法務大臣はこの問題に対し「戸籍を取得するための制度 がありますが、それを御存じない方が随分いらっしゃる」との認識を示し、周知徹底を図りたいとも言及 しています。しかしながら、これらの活動から三年が経過しても無戸籍問題は解消されていません。
この問題は、無戸籍者だけの問題ではなく、社会全体の損失です。無戸籍問題が解消されれば、新たな 雇用を生み出し、税金や年金も納めてくれるはずです。彼らの不利益が解消されることによって、彼らを 含めた社会全体の利益となることは明白です。
アラドラ(旧 燈聖館)は、未だ行政の手が行き届いてい ない部分をフォローし、社会貢献の一助となるために発足しました。活動内容や進捗状況など、ご不明な 点などありましたらご遠慮なくお問い合わせください。一人でも多くの方に、私たちの活動を応援して いただければ幸いです。