モテ期

ちょいワルジジイ

前回のこのブログで、介護施設への通勤途中、異様に安いマスクを売っている店を見つけ、人に配るほどたくさん買った。そのときに気がついたのだが、その店は、フードレスキューと称し、食品ロスを減らす活動の一環として、消費期限や賞味期限切れの商品を破格値で売っている店だった。

という話をしたのだが、その続き。というか、前回言い忘れたことがあるので、ここで述べておきたい。じつはその店、昨年の10月ぐらいだったかな?すでに閉店している。だから話のネタとしては、昨年の古いネタであることを、今更ではあるが申し添えておく。いやあ、せっかくいい店見つけた、と思っていたのに、残念無念。

あ、でも、閉店前に買い貯めしたシャンプーやトリートメントはまだ家にたくさんあって、今も現在進行形で使っているからね。LUXのシャンプーはあと3本、白髪を目立たなくする(かもしれない)トリートメントはあと4、5本ぐらい、ある。それだけあれば、少なくとも今年いっぱい、もしかしたら向こう2、3年は持つ、かもしれない。

それらは多分、定価で買えば結構高いのではないか、と思われるもので、だから品質は良い(あくまで私が実際に使ってみた個人的感想である)。それがいずれも、前回で述べたように、1本198円とか、298円とか、そのぐらいの価格で買ったから、かなりお得というか、シャンプーリンス代の節約になっているんじゃないかな。その前に使っていた男性用のシャンプーは1000円ほどしたからね。

ちなみに、その白髪を目立たなくする(かもしれない)トリートメント、前回のブログでは、ブランドはシャンプーと同じLUX、と書いたけど、後でみたら違ってました。VSだかなんとかいう知らないブランドでした、という話はどうでもいいか。

もう一つちなみに、そのトリートメントのおかげ、かどうかは定かではないが、私の白髪は以前よりもかなり改善してきている、ことをここでご報告しておく。いや、ほんとですよ。効いたのはそのトリートメントか、ワカメか、サウナでの頭皮マッサージか、真偽のほどは不明である(恐らくどれも少しずつ効いた、と自分では思っている)が、今の私はほぼ黒髪だ。白髪は前髪にほんの少し、チラホラ見え隠れする程度。嘘だと思う人には見せてあげたいぐらいである。

え?肝心の薄毛はどうかって? いや、それは、前回のブログでは明言を避けたことで察してほしい。というのはダメですか? はい、ダメですよね。では、ここではっきり申し上げる。薄毛のほうは、とりあえずは、現状維持、といったところ、じゃないかなあ(はっきりしてないか)。

私が昔勤めていた某夕刊紙で、F1(モータースポーツの最高峰とされるあれね)の特集をしていた時期がある(そんな時もありました)。そこでは私は編集だけ担当して、記事は書かなかったが、モータースポーツ専門のジャーナリストに書いてもらった記事の中に、「現状維持は後退を意味する」という言葉があったのを覚えている。競争の激しいF1の世界では、どのチームもどんどん先へ先へと開発が進んでいくから、現状維持のままのチームは置いていかれる、すなわち後退、というわけだ。しかし、こと髪の毛に関していえば、現状維持は、逆に、前進である、と言っていいと思う。

だって、そのまま何もしなければ、薄毛も生え際の後退も、進んでいくことは明らかなわけじゃん? それが現状維持で踏み留まっているとしたら、それは後退ではなく、むしろ前進、といっても過言ではないだろう。別の言い方をすれば、努力の結果、と言えなくもない。

そういう意味では、自分を、「よく頑張っているな」と、褒めてあげたい気がする一方、鏡を見れば、う~ん、やっぱり、薄いなあ、と、ため息が出るのは相変わらず。一番イヤなのは、前にも言ったけど、うっすら透けて見える頭頂部の頭皮の色が、本来なら青白くないといけないのに、私の場合は顔と同じ肌色、日や場所によっては赤黒くさえ見えることだ。

毛はあっても頭皮はハゲ。この状態を隠せるだけの髪の毛の長さが欲しいのだが、これが腹立つぐらい、伸びてくれない。本格的に薄毛対策をはじめたのは、このブログを書き始めた頃だから、もう、かれこれ半年近は経つというのに、それから1ミリたりとも伸びていない、のではないか、という気さえする。

あんまり髪の毛が伸びないから、恐ろしいことに、もう1年以上床屋へ行っていない。さすがに伸びてきた横や後ろの毛は、いわゆるセルフカットで済ましている。だって、鏡を見ながらちょっと跳ねてる髪だけちょこちょっと切れば、それで事足りるから。いやあ、いかに髪が伸びていないかがわかるよね。

まあ、伸びなくても、現状維持ならいいじゃん、と言った手前であれだけど、できればやっぱり、髪の毛は伸びるもんなら伸ばしたい。というのは、私の老後の密かな目標の1つが、ちょいワルジジイになりたい、だから。ほら、よくいるね。長く伸ばした髪(たいてい白髪)を後ろで縛っている(これもポニーテールというのかな?)不良っぽい爺さん。たとえば、ずいぶん昔に放送された「ビーチボーイズ」というドラマ(反町隆史と竹野内豊のダブル主演ね)に出ていたマイク眞木のような(わかるかな?)。

なにしろ私、今まで一度も髪を伸ばしたことがない。常に短いショートヘアでずーっと通してきたので、一生に一度ぐらいは、ロン毛もいいなあ、と、淡い憧れを抱いていたのだが、しかしこのペースじゃあ、たとえ100歳まで生きたとしても、ロン毛は無理だろう。トホホ。いや、あきらめるのはまだ早い、と、誰か言ってくれないかな。

え?なんでロン毛のちょいワルジジイになりたいかって? そりゃあ、ズバリ、モテたいから、に決まってんじゃん……いや、冗談ですよ。冗談だから、引かないで、笑ってください、あはは。などと、冗談めかしながら、そのじつ、水面下3分の1ぐらいの下心は本気(と書いてマジと読む。死語?)であることを、恥ずかしながらここに告白します。

いやあ、男なんて、いくつになっても、女にモテたい、と思う生き物ですよ、と、開き直る私、今は幸か不幸か独身(バツイチだけど)なのだから、機会があれば、つまり相手がいれば、今更はずかしながら恋愛したいし、もし今のまま相手が見つからなければ、いっそ婚活してみるのもありかな、などと考えている。

とはいえ、五十を過ぎての婚活は、厳しいだろうなあ、実際の話。というか、もう、無理なのかもしれない。冷静になって、客観的に考えれば、結婚したい女性にとって、五十過ぎのオジさんは、やっぱり、アウトオブ眼中、でしょう。いやはや、歳をとるということは、残酷なものである。

振り返ってみれば、自分で言うものあれだけど、学生時代はそこそこ、あくまでそこそこだが、わりとモテていた、と思う、こうみえて。中学校の卒業時に見知らぬ女のコから松山千春の「旅立ち」と「初恋」のEPレコード(懐かしいねえ)をもらった、とか、高校の電車通学で毎日同じ車両に乗っていた女子校の娘から突然、「私もファンの1人です」と書いた手紙をもらった(こういうのはしっかり覚えている)、とか、モテエピソードはそれなりにある。高校の時付き合った彼女は、クラスで1、2を争う人気だった娘で、私と付き合うことになったときは悔しがる奴らが大勢いたものだ。あ、自慢入っちゃった?

ところがどっこい(古い言い回しだね)、高校卒業して、浪人中に彼女に振られると、その後はさっぱり、であった。一浪して入った大学時代は、まあ、バイトばっかりしてろくに学校に行かなかったから自業自得だとしても、社会人になってからは、もう悲惨、と言っていいぐらい、モテなかったなあ。どうやら私の“モテ期”は中学高校で終わってしまったらしい。

今にして思うに、どこでもいいからちゃんとした会社に正社員として長く勤めていれば、同僚とか部下とか取引先とか、それなりに出会いもあっただろうに、ねえ。しかし、私は正社員として勤めた期間はごくわずか、大部分は契約社員またはフリーランス、そして今では情けないことにパート・アルバイトで糊口を凌ぐ有様だ。これじゃ婚活も無理か。

だから福岡で1年ほど就職した期間はもちろんのこと、その後上京してからは輪にかけて、まともに女の人と付き合った記憶がない。なにしろ出会いがなかった、というのはモテない男の言い訳としては常套句だが、実際にモテなかったのだから言い訳もくそもない。恥を忍んで正直いえば、社会人になり上京して初めてできた彼女が、別れた元嫁、ということになる、という体たらく。まあ、その彼女と結婚しちゃったからしょうがない、という言い方もできるけど。

ちなみに、その彼女というか元嫁は、中学校の同級生だ。中学生のときは付き合ってないから、焼けぼっくいに火、ではないものの、前々から知っていた相手、という意味では、言葉は悪いが、妥協しての結婚ともいえる。あ、こういうこと言うと、失礼な話だと元嫁から怒られるだろうな。もしかしたらそれが離婚の遠因なのかもしれない。

斯く斯く然然で、まあ、自分で書いていて嫌になるほどモテない人生を送ってきた私であるが、じつはじつは、いま現在、学生時代以来?の第2の“モテ期”を迎えている。むはは、驚いた? いやいや、そんなわけないだろう、という人に申し上げるが、ウソではないよ。でも、あんまり嬉しくもないんだなあ、これが。

というのは、もう薄々感づいた人もいるだろうが、若い女の子にモテているのではなくて、モテているのは、いま私が勤めている介護施設の利用者様であるお婆ちゃん達からだ。なーんだ、と思われるだろうけど、いや、それがですねえ、何故だかよくわからないけど、ここんところ私、他の職員から妬まれるほどの人気者でして。

私が来たらパッと表情が変わり、それまで不機嫌だったのが急にニコニコご機嫌になるお婆ちゃんは、私が帰るときには涙を浮かべて(これ、決して大げさではなく、ほんとに泣いたことがあった)別れを惜しむし(認知症だから日によって違うが)、他の職員の言うことは聞かないのに、私の言うことは素直に聞くお婆ちゃんもいる。まあ、私が担当している1フロア8人(定員は9人だけど現在は空き室1つあって8人)のうちの2~3人だけだけど。

それでも、特定の職員1人だけがこんなに好かれることは今まではなかったらしく、周りが驚いているほどだから、モテている、というのが見栄や誇張ではないのは、信じてもらえると思う。一体何故、そうまで好かれるのか? その理由については、はっきりとはわからないが、なんとなく、思い当たることがなくもない。けど、あくまで、なんとなく、であって、はっきりとした根拠はなく、それを説明してもわかってもらえそうにないので、ここでは省略。いずれ機会があれば触れたいと思う。

と、私の第2の“モテ期”到来! と、わざと自慢気に書いたが、もちろん本気で自慢しているわけないからね。むしろ自虐ネタだからね。ここ、笑うとこですよ。世の中には洒落の通じない人がいて、私が婆ちゃん達にモテるのを自慢している痛いヤツと思われると心外なので、念のために言っとくけど、認知症のお婆ちゃん達にモテたところで、さほど嬉しくはないでしょうよ(嫌われるよりはいいけどね)。

そりゃあ、モテるなら若いコがいいに決まっている。五十過ぎのオジさんが、若いコがいい、なんて言うのが厚かましいなら、せめて四十代、再婚でも(私もバツイチだから)子連れでもいい、と思っている。もっとも、子連れ婚の場合は、その子供との相性が大事だと思うからなんとも言えないが、それはさておいて、認知症のお婆ちゃんにはモテるけど、普通の女の人にはまったくモテない私を可哀想に思ったら、誰かいい人紹介してください。結構、本気(と書いてマジと読む。しつこいか)で言ってます。夜露死苦(ワード変換すると出てきたので、恥かきついでに年甲斐もなく使ってみました)。