GW

横浜のレジャー施設の画像

ゴールデンウィーク真っ只中ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか? 今年は3年ぶりに何の規制もないGWということで、有名な観光地やレジャー施設なんかは結構な人出、中にはコロナ以前の水準まで復活したところもあるそうな――とは、テレビのニュース等で皆さんもお聞き及びでしょうが、私の周りに限って言えば、GWやけんちゅうて、どっかに出かけるゆうヤツは、ほぼほぼおらん。あ、いきなり博多弁になってもうてごめんたい。

いや、1人だけ、10連休をとった、というヤツがおったな。ばってん、そいつは秋田かどっかの田舎へ帰省する、ってゆうとったけん、遊びでお出かけ、ではない。と、ここで方言はやめて普通に戻すが、やはり、GWにレジャーや行楽などの遊び目的で出かける人は、私の周りでは、1人もいない、と言っていいだろう。

それはなぜか、と、考えるまでもない。要するに私の周り、というか知り合いは、ほとんどがバイトで生計を立てているフリーターだったり、飲食店等の自営業だったり、何をしているのかわからない人もいるけど、とにかく、正社員として会社に勤めている人が少ない、というか、ほとんどいない、からだ。私自身、バイトの収入が本業を上回るようになってもう5~6年ほど経つが、その間にすっかり正社員の知り合いがいなくなった。まあ、コロナの影響も少しはあるかもしれないが。

正社員なら、余裕のある会社であれば有給使って大型連休、余裕のない会社でも暦通りの飛び石連休はとれるだろう。しかし、正社員が休むときに働くのがバイトである。世間は休日で浮かれている人々を横目に働くバイトの悲哀を、もっとも強く感じるのがGWだ。けど、まあ、他の人はどうか知らないが、私は、最初から休日はないものとあきらめているから、GW中に働くことにさほど抵抗はない。GWだろうと普段とまったく同じ。もう何年も休日という感覚がない。貧乏暇なし、である。

もちろん今年のGWもご多分にもれず仕事が入っている。1日の休みもなく。と言いつつ、意外だったのは、介護の方ではなく、清掃の方が多く入っていること。具体的にいうと、今週は介護が2日夜勤の3日明け、7日夜勤の8日明け、だけで、3~6日は4日連続清掃のシフトが組まれている。清掃も人手不足なのかな? そういえば介護の方で、長いこと働いてきたベテランのオバちゃんが辞めるらしく、誰かいないか? と聞かれた。これを読んでいる皆さんの中で、働いてもいい、という方がいらっしゃいましたら、ぜひご一報ください。

というわけで、GWも普段と変わらず仕事の日々なので、GWに関してブログに書くネタがない。なので今回は、少し前になるが、痛風で夜勤明けの一杯を自粛中に行った店についての話をしたい。

夜勤が明けて帰宅途中、仕事終わりの生ビールが楽しみで、大森の24時間営業の「餃子酒場」か、鶯谷の「日高屋」(日高屋は大森にもあるが、11時オープンなので日高屋なら鶯谷の方が多い)か、平日であれば「ガスト」(大森にも鶯谷にもある)のハッピーアワーで200円生ビール、その他気分次第であと何軒か、ローテーションというほどの決まりはないが、よほどの用事でもない限り、それらのどこかに引っかかっては飲んでいるわけだが、さすがに痛風を発症してからの1、2週間ぐらいは酒を我慢した。

松屋 創業ビーフカレーの画像

松屋 創業ビーフカレー490円

酒が飲めないときに行く店としては、以前ならいの一番に挙がるのが「松屋」であった。ここの創業カレーが妙に好きで、コスパにうるさい貧乏性の私でもこのカレーなら、たしか並で490円だったと記憶しているが、安い、と思っていた。

ところが、この間(つまり痛風で酒を我慢している間ね)久しぶりに「松屋」へ行ったら、なんと、創業カレーがなくなっているではないか。しかたなく代わりにメニューにあったオリジナルカレーを食ったが、う~ん、さほど旨くない。どころか、創業カレーへの思い入れが強いせいか、むしろ不味い、とさえ感じた。残念。当分「松屋」には行かないだろう、というのは以前にも書いたっけ。

松屋 オリジナルカレーの画像

松屋 オリジナルカレー480円

そこで「松屋」の代わりに、ちょくちょく行くようになったのが、「なか卯」である。ここの「あさりくり~む親子丼」(並盛680円)がお気に入り。というのも以前書いたが、「なか卯」に行くようになって気がついたことがある。それは何か?と、振っておきながら、答えはまだだったと思うので、ここに記しておきたい。

「なか卯」に行って気がついたこと。それは、ジャジャン(ドラの音)、初老とおぼしき男性の1人客が多い、ことである。な~んだ、そんなことか、とガッカリしないでほしい。私にとっては、平日の午前中からランチタイムを挟んで午後の早い時間、つまり勤め人が少ない中途半端な時間に、初老男性の1人客、が多い、というのは、初めて気がついた、大げさにいえば、発見、であった。

しかも、そうした初老男性1人客の雰囲気が、なぜか皆似ているんだなあ、不思議と。それぞれが御一人様で、お互い知り合いではないのは明らかなのに、何故、彼らが醸す雰囲気が似通うのか、理由がわからない。いや、男性の1人客といえば私だってそうなのだが(しかし私は初老まではいってない、と信じたいが)、彼らはどう贔屓目に見ても、私とは違う。

具体的にいうと、シャツはネルシャツかデニムシャツのどちらかを着ていて、ズボンはジーンズかチノパンのどちらか。たまにカメラマンが着るようなポケットがたくさんのベスト着用もあり。リュック(ナップサック?)は必須。頭にはキャップ(野球帽)かハンティング帽、まれにハンカチーフか何かをハチマキ状に巻いている人もいる。そしてメガネ率高し。

と、このように、個々の服装に若干の違いはあれど、全体の雰囲気としては皆似ている。ほんとだって。皆さんもここの「なか卯」まで来ていただけたら、きっと納得するから、ね。で、これは何故かと推測するに、定年でヒマになったオジさんたちのピクニック、というか、ちょっと遠出の散歩、というか、まあそんな感じ、だろう。寂しそう、というよりは、孤独を楽しんでいる、というふうに見えなくもない。

もうずいぶん昔になるが、ライター仕事の1つで、「シニアナビ」というサイトに関わっていたことがある。これは要するに、シニアの皆さんがお友達をつくりましょう、という、サークルというか、コミュニテイというか、そうした活動を行っているもので、オフ会だの日帰り旅行だの落語家を招いての落語会だの、さまざまなイベントを実施していた。同サイトにブログを投稿する人も多かったので、そうした人たちに向けての文章講座なるものを開催して、恥ずかしながら私がその講師を務めたことなんかも、あったなあ。

残念ながら今はその「シニアナビ」は、とある企業に買収されてなくなってしまった(名前が変わってまったく別のものになってしまった)が、そのシニアの皆さんが集うイベントを取材する中で気がついたのは、女性はこうした場で上手くコミュニケーションがとれて、友達もすぐできる。けど、男性はどうもコミュニケーションが下手で、友達をつくるのが苦手、ということ。

恐らく、いや、絶対にそうだと思うが、男性は、仕事の肩書きや社会的な立場などがないと、何を話していいのかわからないんでしょうな。それは今の介護施設で働いていても感じることで、全体的に男性の利用者は、職員とも他の利用者ともほとんど喋らず、ただ黙って座っているだけ、あるいは、食事の時間以外は自分の部屋に引きこもっている、というような人が多い。もちろん例外もいるが、ごくわずか。おしなべて男性は大人しい。大人しい人は手がかからない、というわけではないけど。

何が言いたいかというと、世の中には、定年退職等でヒマができてもコミュニケーションが下手で友達や仲間をつくれず、しかたなく単独で旅行や遠出の散歩などを行っている初老の男性が、意外に多い、ということ。初老といってもまだまだ元気はあるからね。そういう人たちが単独行動する中で、食事や休憩で訪れるのが、ここの「なか卯」ということではないか、と、そう推測するわけですな。

はい。だったら「なか卯」でなくても、「吉野家」でも「松屋」で「すき家」でも、1人で入りやすい店ならどこでもいいんじゃね? という声が上がるのは、ごもっとも。それに反論できるだけの確たる根拠は、私にはない。けど、あくまで私個人の勝手な観察眼から言わせてもらえれば、「吉野家」「松屋」「すき家」の男性1人客は若者が多いので、初老の男性が目立たない。それに比べて「なか卯」は、全体的に客の年齢層が高い(と感じるのは私だけかもしれないが)ので、初老の男性1人客も自然と多くなる、というか、目立つ、のではないか、と私は推測しているのだが、皆さんはどう思いますか?

念のため言っておくが、「なか卯」の客の年齢層が「吉野家」「松屋」「すき家」よりも高い、というのも、牛丼よりは親子丼の方が年寄りには好みだろう、という私の勝手な思い込みによるものだからね。エビデンスもデータもなんもないし、調べる気もないから、ここで突っ込みは入れないように。気になる方はご自分で調べてね。

おっと、またどうでもいい話をダラダラと引っ張ってしまった。最後にもう1つだけ、ここでついでに書いておきたい話があるので、簡潔にまとめて、終わりとしたい。それは久しぶりに鶯谷の「日高屋」へ行ったときのこと。痛風による断酒も我慢の限界が来て(結局1~2週間ほどしかもたなかった)、ちょっと一杯ぐらいならいいか、と思って入った「日高屋」で、生ビールに餃子という黄金コンビを堪能していたら、背後で何やら賑やかな、だけど明らかに場違いな音楽が聞こえてきた。

何だろう? と思って振り向くと、そこには、なんと、あの「自動配膳機」(でいいのかな?)が。皆さんご存知ですか?「自動配膳機」。正式な名称はわからないけど、たしか北京オリンピックの選手村の食堂で採用されて話題となっていたのをテレビのニュースで見た記憶が私にはあった。その後、中国ではわりと実用化が進んでいる、との情報もあったような気がするが、日本ではまだまだ、だと思っていたら、まさかこんなところ(というと日高屋に失礼か)でお目にかかるとは!

日高の配膳ロボットの画像

日高屋の配膳ロボット

いや、これにはちょっと、もとい、内心ではかなり、驚きましたねえ。だって、いつもの日高屋、ですよ。内装だってお世辞にもきれいとは言えない、はっきり言うと申し訳ないけど、結構年季が入っている古いお店の客席の間を、トコトコと、いや、ウィーンと、かな? とにかく、私の中では近未来のもの、と思っていたやつが変な音楽を鳴らしながらいきなり現れて、また、それで料理を届けてもらった客が、平然と、さも当たり前のように料理を取り出すのを見ると、なぜか悔しいような、羨ましいような……よくわからないけど複雑な気持ち。

こんな機械を導入するなんて、やるなあ、日高屋。と、内心ではかなり感心しつつ、それでも態度は平静を装い、何気ないふりをして観察していると、どうやら「自動配膳機」が運ぶのは単品のみ、らしい。そういえば私の生ビールと餃子も定員が持ってきた。試しに半ラーメンと半チャーハンのセットを頼んだら、これも店員が持ってきた。よーし、今度こそ、何か単品を頼めば、ヤツが私の目の前に来るだろう、と思ったけど、もう腹いっぱいなので止めといた。それは次回のお楽しみ、ということで、この原稿もこれにて締め、としたい。それでは、GWの後半も良い休日をお過ごしください。私は仕事ですけど。