蛇窪神社

蛇窪神社 鳥居 額縁

いよいよ2024年が終わろうとしている年の暮れも押し詰まった大晦日。こんなときの更新ですいません。もういっそのこと、明けましておめでとうございます、でいいんじゃないの、という気がしないでもないですが、まあ、この原稿を書いてるのはまだ年明け前だし、新年のご挨拶はまた改めて。

ということで、もうすぐ終わる2024年、令和では、えーっと、6年ですか?どうでもいいけど、最近は年号というともっぱら西暦で、令和と表記することはあんまりないよねえ。なので年が終わろうとしている今更でもなお、令和何年か、すぐにはわからない。昭和時代は西暦よりも昭和と当たり前に表記していた。が、平成あたりから西暦と平成が半々ぐらいになり、令和に入るとほとんど西暦ばかり。令和という年号はあってなしがごとき。だと私は思うが、皆さんもそうですよね?

なんでそうなったのか?などと考察するには値しないどうでもいい話は置いといて、去る2024年はどんな年だったか。せっかく大晦日に書いているので、柄ではないがちょっと振り返ってみると、社会的には、やはり元旦に起こった能登半島地震、これが一番の大事件でしょうね。

その他にも政治では石破総理誕生、スポーツでは大谷翔平の50-50とワールドシリーズ制覇、世界的にはトランプの再選などなど、色々と数多くの出来事があったにせよ、9月にまたしても能登が記録的豪雨による水害に見舞われたことで、2024年は2011年の東日本大震災に匹敵する災害の年、という印象が強く残った。今も語り継がれる2011年の記憶と同様、2024年も後世に語り継ぐべき年となるんでしょうね。

私個人としては、過去ブログでも何度か書いたが、2月1日に母が亡くなった。そして9月15日には、我が店「ビリヤニ&カレーダイニング Mr.Spice」が新規オープン。それまでアルバイで生計を立てていたしがないオッサン(私のことです)が、あれよあれよと一挙に飲食店のオーナーに。ほぼ同時に会社も設立したので、代表取締役社長という肩書も手に入れた。まあその実体は、これも過去ブログで書いたが、ほんとに名前だけで、何も変わってはないんだけどね。

それでも、店の運営はほとんど店長(スリランカ人です)に丸投げで自分は何にもしない名ばかりオーナーとはいえ、曲がりなりにも経営者になった以上、それ以前とまったく同じというわけにもいかず、色々とやらなきゃいけないこととか、考えなきゃいけないことが次から次へと出てくるわけで、そうしたド素人経営者の奮闘ぶり(さほど奮闘はしてないけど)みたいなものは、今後当ブログで追い追い書いていきたい。

と、思ってはいるが、えーと、要するに、何が言いたいかというと、2024年は私にとって、わりと人生における分岐点というか、ある意味重要な年であった、ということ。この店がいつまで続くのかはわからないが、その記念すべきスタートの年として、後にしばしば振り返っては思い起こす年になる、ことでしょう。それが良い思い出の年となるか、やめときゃよかった、と後悔する年になるか、それは神のみぞ知る。いや、後悔するとしたら、借金抱えてにっちもさっちもいかなくなっている可能性もあるから、願わくば後悔はしたくないが。

ところで、店の調子はどうか、って?気にされている方には正直に言います。開店して3カ月半余経ちますが、全然赤字ですよ。ものすごい勢いで貯金減ってます。でも、まあ、これはある程度想定していたことで(想定よりも大幅にマイナスだけど)、今は我慢の時期だと思っている。年が改まってもこの調子だとさすがに、ただでさえ乏しい私の財力では到底賄えないので、撤退も視野に入れた大胆な方針転換が必須となる。だろうが、じつは12月の半ばを過ぎたあたりから、調子はわずかながら少しずつ上向いてはきているので、なんとかなるんじゃないか、と。てか、是が非でもなんとかしないといけないんだけど。頑張りますので応援してください。

かように、毎年毎年変わり映えのしない年越しが通例となっていた私には珍しく、変化も意義もあった2024年だけど、過ぎてしまえばあっという間の為五郎。時の流れの速さ(あえて“早さ”ではなく、“速さ”ね)を前に呆然としているのはいつもと同じである。しかも今年は、もとい、来年の正月は、一昨年から恒例となりつつあった築地本願寺でのカウントダウンも、七福神巡りも、とある事情により中止の見込み。店は大晦日と元旦は休みだし、夜勤の仕事は当たり前に入っているので、いつも以上になーんにもない、寂しい年越しになりそうである。とほほ。

それはさておき、正月といえば、初詣である。初詣といえば、ぜひ皆さんにお勧めしたい神社がある。我が店「Mr.Spice」の近く(といっても歩いて15~20分ほど。東急大井町線中延駅からは徒歩約6分)にある「蛇窪神社」がそれ。その名の通り、蛇を祀ったというか、蛇の守り神というか、どういえば正しい表記なのかわからないけど、とにかく蛇と関係が深い神社である。いやいや、蛇なんて気色悪い、と眉を顰める人もいるだろうが、この神社で祀られているのは、蛇は蛇でも「白蛇さま」で、白だけに美肌のご利益がある、と女性に人気なのだとか。

白い蛇

もちろんそれだけじゃないよ。美肌はどうでもいい男性諸君にぜひ知っていただきたいのは、境内で白蛇さま、別名「白蛇大神」と「蛇窪龍神」を祀ることから、“巳が龍(身が立つ)”、すなわち、“立身出世”のご利益がある、ということ。白蛇と龍神が一緒に祀られているのは全国でも珍しいそうで、近年はパワースポットとしても人気急上中。なんて聞けば、行ってみたくなるでしょ?

「蛇窪神社」の由来は1322年、当時「蛇窪村」と称されたこの地域一帯が大干ばつに襲われた際、古池のほとりにあった「龍神社」に雨乞いをしたところ、大雨が降り災難を免れた。これに感謝し、神社を勧請したのがはじまりとされる。

としたら、祀るべきは「龍神さま」であって、「白蛇さま」ではないだろう、と思ったそこのあなた、まあ慌てずに。なぜ「白蛇さま」なのかというと、神社の伝承にこう記されているそうな。鎌倉時代にはすでに白蛇が社殿横の洗い場に住んでいた。しかし洗い場がなくなり、住処をなくしてしまった白蛇は、やむなく神社からほど近い現在の「戸越公園」の池に移り住んだものの、土地の有力者の枕元に現れ、元の場所に戻してほしい、と懇願した。それを聞いた宮司が慌てて池を掘り、「辨財天(べんざいてん)社」を建立して、白蛇を迎え入れたとさ。めでたし、めでたし(日本昔話風に)。

私がこの「蛇窪神社」のことを知ったのは、我が店がオープンしてしばらくしてから、であった。我が店は東急大井町線・戸越公園駅の改札を出て左方向、「戸越公園南口商店街」に位置しているが、商店街としては北口の方が店も多く、活気がある。それに比べて南口の商店街は、店の数が少なく、人通りもやや寂しい。

ところが、店を出してから知ったのだが、普段の人通りは少ないくせに、何かイベントや行事になると意外にも、大変熱心な商店街であった。とくに店をオープンした秋頃はお祭りシーズンとあって、毎週のように山車だの神輿だの、名称はわからないが何かしらの行列が練り歩く。ハロウィーンなんか、私は当日仕事でいなかったが、後で聞けば、我が店にも仮装した子どもたちが、まるで砂糖に群がる蟻のようにわんさか押し寄せたらしい。それが少しでも客足につながるといいんだけどねえ。

そうした商店街のイベントの中でもとりわけ驚いたのが、巨大な白蛇さまの出現だった。まるで長崎くんちの龍踊りを彷彿させるような、つまりそれぐらい大きな白蛇(もちろん造りものですが)を子供たち十数人で抱えて商店街を練り歩いているではないか。ああ、これ、残念ながら写真撮るの忘れたが、撮っとけばよかったなあ。来年こそは必ず写真を撮って、皆さんにもお見せしたい。

そのときはまだ蛇窪神社を知らなかったので、なんで蛇なの?とは、当然の疑問である。そこでちょっと調べて判明したのが、この辺一帯の昔の地名が「蛇窪村」であり、現在の「戸越公園」駅はかつて「蛇窪駅」だったこと。その旧蛇窪駅が最寄りの「戸越公園」から「蛇窪神社」まで、我が店が在所する南口商店街も含む道のりは、「白蛇さまの戻り道」と称され、開運参拝コースとして親しまれているそうな。

道理で、商店街の一角にある和菓子店で「蛇まんじゅう」なるものが売られていたり、スタンプラリーなども行われていたりするわけだ。そんなことはまったく知らず、縁もゆかりもない地にわざわざやって来て店を開いた我々だけど、案外良かったのかも。人に歴史あり、とよく言うが、土地にも固有の歴史あり。住めば都、ならぬ、店出せば蛇、である。ちょっと違うか。

で、ここからは文章よりも写真で「蛇窪神社」を紹介したい。いやね、このブログに載せる写真を撮るため、事前に私、「蛇窪神社」へ行ったんですがね、思った以上に色々と見所があったもんで、調子に乗って写真撮りまくり。せっかく撮った写真はなるべく多く使いたい。というわけで、どうぞ。

(新檜の大鳥居)

(狛犬代わりに一粒万倍の碑)

(狛犬代わりに一粒万倍の碑)

(天祖神社の碑)

(インスタ映えする手水舎)

(法密稲荷社)

(本殿)

(蛇窪龍神社)

(銭洗い弁天)

(銭洗い所)

(銭洗いざる)

(お参りの仕方)

(撫で白蛇)

(本物の白蛇も)

(蛇松)

(龍神の玉)

(白蛇の置物)

と、まあこんな感じ。ほんとはもう少し、写真一枚ごとに説明文を添えようと思ったんだけど、面倒臭くなったので、自分で調べてくださいな。インターネットで簡単に見れますから。ネットを見れば、上記の写真以外にもさまざまな見所や楽しみ方が驚くほど満載で、きっと訪ねたくなること間違いなし。来る2025年は巳年、つまり12年に一度のヘビの年だけに、神社だけでなく、周りの商店街も気合を入れて、皆様のお越しをお待ちしている、はずですよ。

(南口商店街の幟)

ちなみに、「蛇窪神社」は「白蛇日本三大聖地」の1つでもあり、「しろへびサミット」などのイベントも開催されているそうです。ここで質問。「白蛇日本三大聖地」の他2つはどこでしょうか?わかった人はコメントで回答してください。正解者には豪華プレゼント、はとくにないのであしからず。では、よいお年を。