前々回のブログで、今年の花見は、まだ桜が咲いていない、どころか、つぼみさえ出てない日に無理やり決行。もはや花見ではなく、ただ外で飲み食いしただけだった、という話をした。結果論ではあるが、開花宣言が出たのは、その翌日。我々が花見をした場所はつぼみも出てなかったのに、他の場所では結構咲いていたようだ。そして東京での満開予想は、当初は3月末としていたが、結局、満開は4月4日、だったらしい。
しかしその後は天気の悪い日が多くて、春の嵐なのか、まるで台風のごとく雨風が吹き荒れた日もあり、満開の桜は愛でる間もなく散り散りに。今年は思う存分お花見を楽しめたという人は、例年よりもすいぶん少なかったんじゃなかろうか。
その春の嵐が台風のごとく吹き荒れた日、私は夜勤明けで、施設に置いてあった誰かのビニール傘を無断借用して刺して歩いた帰宅途中、施設からバス停までのわずか3~4分ほどの間に2回も、ビニール傘が強風で捲れ上がって、使い物にならなかったからね。ったく、ひでえ目にあった。
それでも、感心したのはそのビニール傘、捲れ上がっても手で張り直し、骨をビニールの先端に差し込み直せば、ちゃんと元通りになるんですねえ。どうやら最初からそれを見越してつくられているらしい。ビニール傘も進化しているのかな。
などとどうでもいい話は置いといて、桜の話に戻る。え?桜の季節はもう終わりだよ。桜の話をするならもっと早くしないと、って? まあ、そりゃそうなんだけど、時事ネタの掲載が遅いのはいつもことなので、まあ大目にみてちょ、というのともう1つ、遅くなってもあえて桜の話を取り上げたい理由がありまして。
というのは、たまたまテレビの夜桜中継かなんかを見て知ったのだが、「日本三大桜」というのがあるんですねえ。桜の名所とかではなくて、1本の桜の木、ですよ。ご存じでした? これが「三大桜名所」ならわかる。青森県の弘前公園、長野県の高遠城址公園、奈良県の吉野山。この3箇所が桜の花の美しさで日本の3本の指に数えられる、というのは、なんとなく知っていた。
私が行ったことあるのは弘前公園だけで、しかも中には入らず、通りから眺めただけだけど。高遠城址公園にも吉野山にも行ったことはないけど。それでも、花見の時期になるとニュース番組などでしばしば桜の名所として取り上げられている地名なので、うっすら覚えていた。そもそも「三大〇〇」って、地名が多いよね。
しかし、地名や場所ではなく、1本の桜の木で、「三大桜」というのがあるとは、知らなかった。まあ、考えてみれば、樹齢何百年とか何千年とかの古木に名前がつけられるのは珍しくはないわけで、それが桜の木である場合も、私は知らなかったが、地方へ行けばわりとよくあることだろう。その名前がついた有名な桜の木を3つ選んで、「三大桜」。いや、これはありだな。今まで知らなかったのが迂闊といえば迂闊であった
この有名処から3つを選んで「三大○○」というやつ、日本人は好きですよねえ。私は某夕刊紙の記者時代、結構あちこちの観光地に行って、よくこの「三大○○」というのに出くわしたし、記事でもよく書いた。ここは○○や〇〇と並んで「三大○○」の1つに数えられている、というように。そういえば過去ブログでも書いたっけ。観光地の三大ガッカリ名所、とか。どうも私は「三大○○」が好きらしい。しかし、「三大桜」は書いたことがない。そりゃそうだ。ついこの間テレビを見て初めて知ったことで、それまで知らなかったんだから。
というわけで、桜の季節はとっくに過ぎ去り(青森あたりでは今が見頃らしいが)、花見の話題なんぞ遅きに失した今頃になって、あえて取り上げる「三大桜」。これは時事ネタではない。季節とも関係ない。あくまで一般的なテーマとして、読んでいただければ幸いである。
「三大桜」の1つめは、福島県田村郡三春町の「三春滝桜」。三春は「みはる」と読む。推定樹齢1000年超。大正11年10月12日、桜の木としては初めて、国の天然記念物に指定された。高さ13,5m、根回り11,3m、枝張りは幹から北へ5.5m、東へ11.0m、南へ14.5m、西へ14.0m。開花期には四方に伸びた枝から、薄紅色の小さな花を無数に咲かせ、その様はまさに流れ落ちる滝のように見えることから、「滝桜」とよばれるようになった、とも言われている。
「三大桜」の2つめは、埼玉県北本市の「山高神代桜」。武川町の実相寺境内にそびえる推定樹齢2000年ともいわれるエドヒガンザクラ。樹高10.3m、根本・幹回り11・8mもあり、日本で最古・最大級の巨木として大正11年に国指定天然記念物第一号となる。平成2年には「新日本名木百選」にも選定された。神話の日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が東征の折に植えたとされるのが名前の由来になっている。また13世紀頃、日蓮聖人がこの木の衰えを見て回復を祈ったところ再生したため、「妙法桜」とも言われる。桜と同時期に約8万株のラッパ水仙も咲き乱れ、足元の黄色と頭上の薄紅色のコントラストが見事だという。スペースシャトルに乗って宇宙に旅立った神代桜の種子が、地球に戻り発芽した「神代桜の宇宙桜」も公開中。
「三大桜」の3つめは、岐阜県本巣市の「根尾谷淡墨桜」。樹齢1500年余、樹高17.3m、幹回り9.4m。継体天皇お手植えの桜と伝えられ、薄いピンクのつぼみが、満化になれば白に、そして散り際には淡い墨色になることから、淡墨桜と名付けられたと言われている。国の天然記念物指定。
この「三春滝桜」「山高神代桜」「根尾谷淡墨桜」の3本が「日本三大桜」であることは、どうやら通説のようで、異論をはさむ余地はない、らしい。過去ブログにも書いたが、「三大○○」というのは、わりといい加減な、誰が何の根拠があって決めた?と突っ込みたくなるものも中にはあるが、「三大桜」に関しては、これは明確に定められている、ようなので、皆さんも覚えておくといいかもよ。
ちなみに、この「日本三大桜」に、埼玉県の「石戸桜」と静岡県の「狩宿下馬桜」を加えて、「日本五大桜」という。いやあ、色々ありますな。できれば全部観て廻って、三大桜も五大桜も制覇したい、ものであるが、いかんせん、いずれも東京都内ではないので、制覇するのは大変だろうなあ。
いや待てよ。「日本三大桜」の制覇は難しいが、「東京三大桜」ならどうか?これならわりと簡単に制覇できんじゃね?と思って調べてみたら、うーん、どうも東京にはそんな有名な桜の木はないらしい。木がないなら名所でも、と思ったが、東京の三大桜名所は、上野、千鳥ヶ淵、新宿御苑だったり、皇居、目黒川、上野、だったり、諸説入り交じり、はっきりしない。
なんだ、じゃあ、もういいや。と、急激に桜への興味が萎える一方で、にわかに別の興味が湧いてきた。それは何かというと、「東京三大」と検索すれば、「東京三大どら焼き」とか、「東京三大豆大福」とか、「東京三大たい焼き」とか、「東京三大煮込み」とか、「東京三大チャーハン」とか、「東京三大餃子」とか、とにかく東京三大の食べ物が続々と出てくるではないか。
こりゃ面白い。東京三大食べ歩きの旅。いいねえ。企画としてぜひやりたい。その中でもとくに「東京三大煮込み」については、かねてより関心があった。というのは、私のお気に入りのもつ煮込みの店が大森にある。名を「蔦八」というその店の煮込みは、「天下一」と謳っている通りの絶品で、私は当然、「東京三大煮込み」の1つに入っている、と思っていた。
ところが豈図らんや、調べてみたら、「東京三大煮込み」は、北千住「大はし」、森下「山利喜」、月島「岸田屋」の3店で、私のお気に入りの「蔦八」は入っていない。それが悔しくもあり、じゃあその「東京三大煮込み」3店の煮込みはどれほど旨いのか、試してみたくもあり、いずれにしても、いつか3店とも、制覇しよう、と目論んでいたところであった。
というわけで、今回は「日本三大桜」の話をしたが、実際にその桜を見に行くのは難しそうなので、多分、パス。代わりに、実際に食べに行ける「東京三大煮込み」なり、「東京三大どら焼き」なり、「東京三大豆大福」なり、「東京三大餃子」なり、とにかく実食できる「東京三大○○」を実食して、その模様を当ブログでレポートしたい。いつになるかはわかりませんが、いずれそのうち、乞うご期待。ではまた。