コロナその5

前回に引き続きコロナの話です。介護施設での夜勤中、体調はすこぶる悪いものの、まさかコロナとは夢にも思わずにそのまま働き続けた翌朝、退勤時間も間近になって同僚のお節介オジサンに、コロナかもしれないから調べてみろ、と、検査キットを突き付けられた。

しぶしぶ検査したら、あらまっちゃん(これは先日亡くなった入居者のお婆ちゃんがまだ口がきけた頃によく言ってた口癖です)、なんとコロナ陽性が判明。その後病院へ行くも、診てくれないどころか冷たくあしらわれ、トボトボ帰宅。と、いうところまでが前回であった。

帰宅してもすぐには寝れない。またしてもこのタイミングでたまたま入っていた、数少ないライター仕事の1つである飲食店への電話取材をしなければならない。でもまあ、体調が悪くても電話で話すだけなら問題なく、無事取材終了。しかし、その原稿の〆は急ぎであった。できるだけ早く上げてくれ、と、クライントから言われていた。

しょうがないのでそのまま書き始めるも、そんな体調では集中できるわけもなく、いつもなら2~3時間もあれば書ける短い原稿を、休み休み、というより、ほとんど眠りながら(器用だね)書いて、翌日の朝一になんとか送信。やれやれ、やっと寝れる。いや、まだだ。寝る前に、清掃会社とホテルに連絡せねば。

かねてより何度もこのブログで書いている通り、私はライター仕事の他に介護、清掃、そしてホテルのフロント業務と、4つの仕事を掛け持ちしている。このうち、介護施設はいいとして(介護施設でコロナ陽性が判明したわけだから)、ライター仕事についても、まあ、あえて連絡しなくてもいいだろう。電話取材ならコロナでも問題ないし、飲食店を訪ねての現地取材はたまにしかないので(情けないが)。

連絡しなければいけないのは、清掃とホテルである。清掃の仕事は毎週木曜と金曜の週2回(以前はそれ以外の日もあったが、最近は木金しか入っていない)。現場で必要な人数は定められているので、休むならなるだけ早めに連絡しないと、迷惑をかけてしまう。

スマートフォンの写真

そこでいつも使っているLINEで、コロナ陽性が判明したと報告。しばらく休みたい、と伝えると、先週1回休んでいるので予想はしていたらしく、すんなりOKが出た。まあ、コロナだからOKせざるをえないわけだけど。

続いてホテルへ、こちらはショートメールで連絡。同様にコロナ陽性が判明したのでしばらく休みたい、とメールする。このとき、ホテルの仕事はまだ正式に採用されてはおらず、トライアル中だった。つまり研修期間ですな。

話は前後するが、じつはこの原稿を書いている1月も下旬の時点でなお、トライアル期間は終わっていない。終わっていないどころか、今年なってまだシフトが入っておらず、出勤していない。何故か?については、説明し出すと長くなるので割愛するが、このとき研修中なのにしばらく休んだことが、直接の原因ではないが、遠因になったのは恐らく間違いないだろう。これについてはまたいずれ、別の機会に述べたい。

それはともかく、清掃の仕事もホテルの仕事も予定(シフト)をキャンセルして、晴れて自由の身になった(意味は違うが)。さあ、寝るぞ~、と、布団に潜り込んで、目が覚めると、外は暗くなっていた。寝たのが月曜日の午前中だったので、そうか、もう日が暮れたか、と思ってスマホで時間を確かめると、なんと日付も変わっていた。あらまっちゃん。

つまり、月曜の午前中から火曜の日暮れまで、ずーっと眠っていた、というわけだ。こんなに長時間眠ったのは、いつ以来だろうか。少なくともここ数年では初めて、だろう。なにしろ、ここ数年はずっと不眠症気味だった。とくに夜勤をはじめてからは、夜勤明けになかなか眠れなくて困っていた。その数年来の不眠を一気に取り戻した、かのような快眠であった。

起きると、猛烈な喉の渇きを覚えた。喉というより口腔内がネチャネチャして、かつてないほど激しく水分を欲している。起き上がって冷蔵庫を開けると、嗚呼、無情にも空っぽ、であった。こんなときに限って。間に悪いことに、頼みのウォーターサーバーもこのとき使用停止状態であった(その理由もまた別の機会で)。

仕方ないので水道水で喉をうるおし、考えた。これは早急に買い出しに行かねばならぬ。飲み物もないが、食べ物もなんもなかったからね。幸い、自宅から徒歩3~4分の最寄りのドラッグストアは、ドラッグストアだけど食料品や飲料もスーパー並みに置いてあり、しかも夜遅くまで開いている。

ただ、コロナ陽性の身で外に出ていいものか、気にはなった。けど、まあ、いいか、どうせ介護施設からの帰りは普通にバスや電車など交通機関を使っている。今さらジロー(古いね。わかるかな?)だ。ということで、一応マスクはしたものの、それ以外はとくに気にすることなく、普通に買い物に出かけた。徒歩2~3分先のドラッグストアへ。

このとき買ったのは、飲み物ではウォーターサーバーが使えないのでミネラルウォーターと、いつも買う森永マミー(乳酸菌飲料が好きなので)、その他適当に。食べ物は、さほど腹は減ってなかったし、味もわからない(前回の吉野家の牛カレー参照)ので、この際ダイエットで断食するか、とも考えたが、断食してまた具合が悪くなっても困るので、少しは買っとくか。

しかし、ほとんど主食のようにいつも買っているインスタントラーメンは、この際やめといた方がいいだろう。体には悪そうだからねえ。とはいえ、肉や野菜など調理が必要なものを買って、自炊する、という気にもなれない。

冷凍食品の冷蔵庫の写真

などと色々考えた挙句、手にとったのが、冷凍パスタである。冷凍食品は一時期、常に冷凍庫に幾つか入れていた。手軽で便利だし、美味しいし、保存はきくしで、あれば重宝した。けど、最近はあまり買わなくなっていた。意外とコスパ悪いんだよね。1袋で1食賄えれば安いけど、たいてい1袋では足りないので。

だから冷凍食品を買うときは、パスタよりも炒飯が多かった。炒飯なら1袋450~500g。1人で食べるには多いぐらいだ。たいてい1回で1袋食べちゃうけど。パスタを買うときはいつも「大盛」の表記があるものを選んでいた。普通のパスタが大体280gぐらいなのに対し、大盛りだと340~380gほど。それでいて値段は同じか、むしろ少し安い。そりゃ大盛りを選ぶよねえ。

しかしそのときは、さほど腹は減ってないし、味もわかないだろうから、このときばかりは量より味を優先して、大盛りではない冷凍パスタを3つほど買った。飲み物をたくさん買ったので、重くてそれぐらいしか買えなかった。

あ、あと風邪薬もたくさん買い込んだな。1箱40袋ぐらい入っている粉薬と、錠剤も1瓶。銘柄はどちらも「パブロン」である。なぜ「パブロン」か?については、テレビCMで聞き覚えがあったのと、たまたま目についた、というだけでとくに愛用者というわけではない。

ついでに、ほとんど常備薬のようにいつも買っている葛根湯も切れていたので、それも買った。その翌日か翌々日には、咳が出はじめたので、銘柄はわからないがせき・たんに効く、と謳っている薬も買い足した。薬だけで結構な散財である。薬って、何気に高いよねえ。

風邪薬を手にしている写真

で、帰って薬を飲んで、また寝た。けど、それまで散々寝ているのでさすがに眠れず、少し腹も減ったので、買ってきた冷凍パスタを早速食べたら、あらまっちゃん(しつこいな)、結構うめーじゃん。

いや、それまで大盛りパスタしか食べてこなかったから知らなかったけど、大盛ではない普通のパスタって、麺が美味いよね。店で出されてもおかしくないと思えるほどツルツルシコシコの麺があれば、平打ちのもっちり麺もあり、いずれもとても冷凍ものとは思えないクオリティ。もちろん味も色んな種類があって、どれも旨い。

最近の冷凍食品は美味しい、というのはよく耳にしていたが、ここへきてやっとそれを実感したわけである。いや、大盛パスタが不味い、というわけでもないけどね。それはそれで美味しく食べていたが(なにしろバカ舌なので)、大盛ではない普通のパスタはもっと美味い、ということに気がついてしまった。遅まきながら。

あんまり旨いので、1袋ではもの足りず、2袋立て続けに食べた。しばらくしてからもう1袋食べて、そのとき買ってきたものは無くなってしまった。しかしもう店は閉まっている時間だったので、翌朝を待って再度ドラッグストアへ行き、また冷凍パスタを大量に買い込んだ。

今思えば、このときすでにコロナ感染のピークは過ぎて、回復に向かっていたのだろう。味も香りも問題なく感じられたし、寝てばっかりいるわりには結構お腹は空いて、いくらでも食べられたから。体調も、寝てばっかりだから当然といえば当然だけど、別段辛くもダルくもない。ただ、寝て目が覚めるたびに、猛烈に喉が渇くのはしばらく続いた。それも3~4日もすれば収まってきたかと思ったら、今度は咳が出だした。

このときの咳は、風邪をひいたときにように、常にゴホゴホ出る咳ではなかった。ある一定時間ごとに、肺から食道、そして喉へと何かがせり上がってきて、ウエッ、ウエッ、と咳き込む。感じとしては、ゲロを吐くときに似ていた。それがひどいときには30分から1時間ぐらいかな?それぐらいの間隔でウエッ、とくるから閉口したが、やがてその間隔が次第に遠くなり、1週間もすれば1日に4~5回ほど、気がついたら咳してた、ぐらいの感覚になった。

ただ、その状態はその後かなり長く続いて、完全に咳が出なくなるまでには、どれぐらいだろう、覚えてないが恐らく3週間ぐらいはかかったんじゃないかな?体調はもうすっかり良くなっても、この咳だけはなかなか抜けず、とにかくしつこかった。

こうして、寝て起きては薬を飲んで冷凍パスタを食べ、また寝て起きては薬を飲んで冷凍パスタを食べる日々を過ごすこと1週間余り。この間、一体どれだけの数の冷凍パスタが私の胃の中に消えただろうか。味も種類もさまざま試してみたが、どれも美味しかった、のは覚えている。というか、美味しかったことだけしか、覚えていない。その1つ1つについての特色などはとんと記憶がない。もし、このときちゃんと記録をとっていれば、今頃私は冷凍パスタ評論家になれた、かもしれない。

というのは冗談ですよ。たったこれしきで評論家になんかなれるわけがないからね。それに、体調が回復するにつれ、また大盛りパスタや炒飯を買うようなった。つまり、“量より質”は療養中だけで、治ればまた“質より量”に戻ってしまった、というわけである。貧乏人だからしゃあないよねえ。

それでも、この原稿を書くにあたって、アイキャッチ画像を何にしようか、と考えたとき、他には何も思いつかなかったので、今回は冷凍パスタにしよう、ということで、久しぶりに(といってもたかだか1月ぐらいだが)大盛ではない普通の冷凍パスタを買い込んだ。そしていくつか並べてパッケージの写真を撮ったのだが、うーん、ちょっとわかりにくかったかな?もっと上手い撮り方があったような気がしないでもないが、まあ、とりあえずこれでご容赦ください。

といったところで、今回はこれまで。次回は仕事に復帰するまでの話です。つまりコロナの話はまだ続きます。とくにオチもないままで。皆さんにおかれましては、コロナの話はもう飽きた、という方も、もしかしたらいらっしゃるかもしれませんが、もう少しお付き合いいただけたら幸いです。ではまた。