南インドカレーでダイエット

Mr.Spiceのカレー

私事で恐縮ですが―――といっても、もともと当ブログは私の私生活のあれやこれやをダラダラ書き垂れているだけのしょうもないブログなので、今さら恐縮もへったくれもないんだけどね。ていうか、そんな余計なことばかり書いているからいつも文章長くなり過ぎるんじゃねーか、という自分へのノリ突っ込みはこれぐらいにして、先進みます。

私事ながら、この度、新たに飲食店をオープン致しました。パチパチ。あ、ウソじゃないですよ。信じてもらえないかもしれないけど、ほんとです。人の店のオープンを手伝った、とかでもなく、正真正銘、私がオーナーである私の店です。すごい?

とはいえ、まあ当然といえば当然ながら、私自身は料理ができるわけでなく、店一軒経営するだけの裁量も持ち合わせておりません。キッパリと。過去何度も書いているように、フリーライターでは食えなくなって、仕方なくアルバイトで生計を立てている、しがないフリーターのオッサン、それが私ですから。

そのしがないオッサンが、なんで店を開けるんだよ?と思いますよねえ。私もそう思います。って、もったいぶってる場合じゃないか。言ってしまえば話は簡単で、店のオープンから運営まで、すべて任せられる人がいるから。そいつに任せて、いや、任せてなんて生易しいものじゃないな、ほとんど丸投げで、私はただお金を出しただけ。というのが実情であります。そうでもないと、私1人じゃなーんもできませんから。

いや、何もできないけど、店舗を借りるときは、私の名義で借りたな。正確にいえば、僭越ながら私個人の会社を立ち上げ、私が連帯保証人として、賃貸契約を結んだ。その店を任せている人というのが、じつは外国人(スリランカ人)で、外国人だとなかなか店舗を借りるのが難しいので、一応日本人である私の名義で借りよう、というわけだが、しかしまたこれが、たとえ日本人であっても、何の実績もない素人ではやはり難しいことには変わりなく、色々探していいな、と思った物件に契約を申し込んでも、審査が通らない、ということが2、3件ほど立て続けにあった。

そこで、やっぱり個人じゃダメだ、会社じゃないと、と、思っていたところに渡りに船で、会社つくってあげるよ、という人が現れた。まあ以前から知り合いで、いつも大変お世話になっている人なんだけどね。その人が別件で今後色々と起業や新規ビジネスの話があるから、とりあえず会社つくっとけ、ということで、これまた私は一度税務署に行ったぐらいであとはなーんもせずに、なんと社長になってもうた。

で、その会社名義で賃貸契約を申し込んだら、今度はすんなり審査も通って、無事契約完了。居抜きで即日営業可!という物件で、さすがに即日営業は無理だけど、さほどの準備期間は要せず、借りてから2~3週間かそこらでなんとかオープンに漕ぎつけた、という次第。

オープンに漕ぎつけた、なんて言い方すると、いかにも大変な苦労の末に、みたいな感じだけど、苦労したのは店を任せる外国人の彼で、何度も言うけど私はほとんど何もしないうちに、あれよあれよと店ができた。まあ小さな店だからね。でも、店一つ立ち上げるのも大変というか、面倒臭いことが山のようにあって、私1人なら絶対に無理だな、と、見ていて思いましたねえ。いやご苦労さん、と、彼には言いたい。何もせんくせに偉そうだけど。

この店の立ち上げからオープンに至るまで、そして開店後の状況などは今後このブログで追い追い書いていくつもりなので、今回はこれぐらいにして、ここからが、やっと本題。タイトルの「インドカレーでダイエット」についての話をしたい。

言い忘れたけど、その新店で出すのはなぜかインド料理です。理由は、店を任せているスリランカ人の彼が、横浜の戸部というところでもう20年も続いているインド料理店の経営者だから。つまり今度の新店は、私にとっては初の1号店だけど、彼にとっては2号店になる。だから新店の立ち上げも慣れたもん、というわけだが、したがって新店も必然的に、実績のあるインド料理、ということになる。スリランカ人だけどインド料理店、というのはべつに珍しい話ではない。スリランカはインドのすぐ近くだからね。

ただし、その戸部のインド料理店(店名は「シャンティ・デリ」といいます)は、ナンとカレーのセットがメインという、いわゆる普通のインド料理店であるのに対し、私たちの新店は、ナンではなく、ご飯(インド米)と数種類のカレーがセットになった「ミールス」と、インド風の炊き込みご飯「ビリヤニ」の二本柱でいくことにした。

Mr.Spiceのカレー

Mr.Spiceのビリヤニ

ほんとは「シャンティ・デリ」と同じメニューで、店名も「シャンティ・デリ2号店」にすれば話は簡単だったのだが、そうしなかったのには理由が2つある。1つめにして最大の理由は、新店の厨房が狭すぎて、タンドールというナンを焼くための釜が入らなかったこと。こればっかりは物理的に無理なので、インド料理といえばナン、というナン好きの人が多いのは分かっていたけど、泣く泣くナンはあきらめた。

もう1つの理由は、「シャンティ・デリ」から連れてきたインド人シェフの出身地がチェンナイという街で、つまり南インド料理を得意としているから。ご存じの方がどれくらいいるのかはわからないが、南インドでは「ミールス」、つまりインド米のご飯にカレーをかけて食べるのが主流で、ナンはほとんど食べないらしい。ナンはインドでも北の地方の料理で、しかも現地でも一般的に食べられているわけではないそうですよ。

ではなぜ、日本ではインド料理といえばナン、なのか?そのわけを書き出すとまた長くなるので詳細は省くが、簡潔にいえば、ナンとカレーのセットをインド料理として売り出したのは、じつはネパール人である。現在あちこちにあるインド料理店が、じつはネパール人がやっている、というケースが多いのは、知る人ぞ知る事実。インド料理といえばナン、と思い込んでいるのは日本人だけ、といっても過言ではない。というのはご存じでした?

話を戻して、私たちの新店では、シェフが南インド出身だから、メインは南インド料理。だけどとりあえずオープン当初は「ミールス」と「ビリヤニ」の専門店。ということにした。タンドールを置くスペースがなかったから、という内部事情はここだけの話にしといてね。

かくして、メニューが「シャンティ・デリ」とは異なるから、店名も「シャンティ・デリ2号店」ではなく、別の名前にした。といってもまったく新しい名前ではない。「シャンティ・デリ」ではゴーストレストランもやっていたので、その名前を頂戴することに。その名も「Mr.Spice(ミスター・スパイス)」という。ちょっとダサい?まあ覚えやすくていいかな、と思っている。

というわけで、南インド料理の中でも「ミールス」と「ビリヤニ」専門店として船出した我が「ミスター・スパイス」。最寄り駅は東急大井町線「戸越公園」駅。改札を出て左手方向に3,4分ほど歩いた、戸越公園南口商店街に位置しています。お近くへお越しの際はぜひどうぞ。

って、宣伝している場合でもなかった。本題と言いつつまた話が逸れて、なかなか辿り着けない本題はここから、やっとです。お待たせしました。もうタイトルでお分かりの人も多いでしょうが、今回の本題は、「インドカレーを食べ続けると、痩せる」というもの。まあ眉に唾をつけてお読みください。

新店がオープンしてかれこれ半月ほど、準備期間も含めれば大体この1カ月間、私は毎日ではないものの2、3日に一度ぐらいは店に顔を出している。店に行けば、インド人シェフが頼みもしないのに必ず、ランチ営業が終わった休憩時間に1食、ディナータイムまで私が店にいればもう1食、いわゆる賄いを食べさせてくれる。店にいてもほとんど働かない役立たずの私だけど、これでも一応オーナーだから、気を使ってくれてるんでしょうな。優しいねえ。

まかないカレーとビール

この賄いが、お世辞抜きで、美味しい。メニューの「ミールス」と同じくインド米、正確にいえば「バスマティライス」に、「ミールス」だと数種類(当店は3種類)のカレーがつくが、賄いだから1種類だけの簡単なもの。カレーは日替わりでチキンや野菜な魚などさまざま出てきたが、不思議と何のカレーを食べても旨い。

私は好き嫌いなく何でも食べる、と自負しているが、やはり中には、嫌いじゃないけど好んでは食べないものもあるわけで、たとえばカボチャなんかは、そのまま煮たのはいいが、味噌汁やカレーには入れてほしくない。ジャガイモが入った味噌汁やカレーは好きだけど、カボチャはダメ、というのも変な話だ、とお思いでしょうが、そういうことってあるよねえ。味覚って繊細なものだから。

しかし、うちのインド人シェフがつくったカボチャ入りカレーは、食べるとカボチャが好きなる。それほど旨かった。カボチャのもさっとした食感が逆にカレーに合うんだね。白身魚も、それまではカレーには合わない、と私は思っていたが、ここの賄いでその概念は覆された。フィッシュカレー、メニューに加えてもいいな。それぐらい旨い。

いや、自分の店のシェフを褒めるのも手前味噌なのでもうやめとくが、とにかく賄いが楽しみで、あと生ビールを導入したけどあまり出ないので、鮮度が落ちないうちに生ビールを消費しなきゃ、と、これは完全にこじつけで、賄いのカレーと生ビールを目当てに、とくに用がないときでも店へ行く。

介護施設の夜勤明けはたいていそのへんで一杯呑むのが通例になっていたが、最近は夜勤明けの1杯をぐっと我慢して、店に直行。いや、直行ではないか。店に行く前に、大井町にある「お風呂の王様」で汗を流して、それから店へ。というパターンがルーティンとなりつつあるな。「お風呂の王様」は、スーパー銭湯しては高いが、健康ランドと思えば安い平日1500円、日祝日1950円。まあ朝から酒呑めばどこでもそれぐらいはかかるから、夜明けの1杯の飲み代を風呂代に代え、呑むのは自分の店で、と考えれば、これはこれで節約、かな?

この「お風呂の王様」についての話も色々したいが、それはまたの機会にするとして、今回はダイエットの話であった。風呂に入る前と後には必ず体重を計る。だから自宅に体重計なんかない私でも、最近は比較的自分の体重を把握できている。ということで、ようやっと、ここから体重の話である。

じつは私の体重は、店のオープンとは関係なく、今年の春先ぐらいから、徐々に減少傾向にあった。それまでは常時だいたい95~6kg、もちろんそれ以上太った時期も多々あり、さすがに100kgの大台までの経験はないが、近くまでいったことは何度もある。身長は178cmしかないのに、太りすぎだよねえ。それが今年は95kgを超えることはほとんどなく、春から初夏にかけて93kgぐらいをキープしていた。

漢方薬

その要因は明白で、「防風通聖散」という薬を飲み続けているから。とくに食事制限も運動もしていない。ただその薬を飲むだけで、するすると痩せた。体重の数字以上に、腹回りの脂肪がすっきりしたなあ、という実感があった。薬の効果もさることながら、これが買ったものではなく、知人から大量に貰ったもの、であることも大きい、と思う。もし自分で買っているものだったら、貧乏性で面倒臭がりの私のことだ、恐らく、いや、きっと、効果があっても長続きすることなく、すぐ止めていただろう。そんな私に毎度薬を届けてくれる奇特な方も世の中にはいるわけで、ありがたいことです。

ところが、8月に入ると見事にリバウンドした。以前も書いたが、8月は今年亡くなった母の初盆で1週間ほど帰省したり、その帰りに大阪で就職した娘にも会いに行くなど、結構忙しく、移動も多かった。移動が多いと、食べる量も増える。せっかくだから、とか、久しぶりだから、とか、めったに食べられないから、とかなんとか自分に言い訳して、空腹でもないのにあれやこれやとつまみ食い。あるあるですよねえ。そうそう、帰省したついでに高校の同窓会にも参加して、そこでも暴飲暴食したっけ。

そして東京に戻り、体重を計る。この日はちょうど店舗賃貸契約の締結日だったのでよく覚えているが、仲介業者のところへ行く前に時間があったので「お風呂の王様」へ行って、入浴前に体重計に乗ると、なんと97kg!リバウンドもいいところだ。まあ体重が重い分、人より減増の幅が大きいので、こんなもんだろう、とは思ったけど、せっかく痩せたのが元の木阿弥なのだから、ショックはショックである。

この間、例の「防風痛聖散」は飲んでいない。旅先にも日数分数えて持っていくほどマメな性格ではないので。しかし帰京してリバウンドが発覚すると、当然またせっせと飲み始めたのだが、飲み始めてすぐ薬が切れてしまった。追加をもらいたいところだが、いつも薬をくれる知人と会うタイミングが合わず、2~3週間ほど、頼みの「防風痛聖散」を飲めない期間があった。リバウンドで増えた体重を抱えながら。

そうして「防風痛聖散」なしの日々を経たある日、もう店がオープンした後だったと思うが、その日はたまたま、「お風呂の王様」ではなく、店の近くにある「中延温泉」という銭湯へ行った。温泉とは言いながらごく普通の昔ながらの銭湯で、体重計も昔ながらのアナログ。針で数値を示すやつね。その体重計に乗ると、おお、なんと針は88kgを指しているではないか。リバウンド発覚後から2~3週間しか経ってないし、「防風痛聖散」も飲んでないのに、ウソだろう?と思って何度も確認したが、やっぱり88kg。これは快挙だ。

体重計

と、喜んだのも束の間、その翌日か翌々日に今度は「お風呂の王様」へ行って体重を計ると、あれれ、92kgだった。なーんだ、「中延温泉」の古い昔ながらの体重計が、壊れているか、本当の体重より軽めの数値を示すよう調整されているんだろうな。それにしても、92kgが88kgって、幅ありすぎ。でも、まあ、92kgでも嬉しい。リバウンドして97kgからじつに5kgもの減量だ。

それにしても、「防風痛聖散」を飲んでないのに痩せたのは、何が原因だろう?と、つらつら考えるに、あれしかないな、と思いつくのが、店の準備期間からオープン後、そして現在に至るまで、毎日のように食べさせてもらっている賄い。つまりカレーである。うちの店の南インド人シェフがつくるカレーに、ナンではなく、「バスマティライス」というインド米。このお米がいいんだろうな。細くてパサパサしているけど、だからこそカレーがよくしみ込んで、いくらでも食べられる。それでも意外に腹には溜まり、食べ過ぎる心配もない。ナンは太る、と聞いたことがあるけど、インド米なら大丈夫。なんなら痩せる。これが私の実感です。

その証拠に、92kgを記録したその日は、サウナにも入って風呂上りに計ると91kg。昔なら何回もサウナに出入りして1回の入浴で2kg以上は平気で体重落ちてたもんだけど、サウナ後の体重はあまり意味がないし、歳も歳だから夜勤明けに無理はできないし、それより早くビール飲みたいし、で、昔にように粘ることなく、小1時間ほどで切り上げている。

その翌日、じゃなかった、その次の出勤日の夜勤明けの体重は入浴前がまた91kg、入浴後は90.7か8kg。そのまた次の夜勤明けは入浴前91kgで入浴後は90.2か3kg。惜しい。で、この原稿を書いている直前が入浴前91kgで入浴後の89.8kg。サウナ後の体重に意味はないのはわかっちゃいるが、それでも90kgを切ったのはうれしい。80キロ台なんていつ以来だろうか。思い出せないほど久しぶりの80キロ。もうデブとは言わせないぞ、というにはまだまだ早いか。

ただし、切れてしまいしばらく飲んでなかった「防風痛聖散」も、また新たに、大量にもらって再度飲み始めたから、カレーだけの効果である、とは、言い切れないのが、記事的にはつらいところ。本来なら「防風痛聖散」は飲まずに賄いカレーを食べ続けるべきなんだろうけど、まあまあ、そこまで厳正にやらずとも、所詮はいい加減なことばかり書き垂れているだけの当ブログですから。

ましてや、過去にプロティンを飲めば髪が生える、などと今思えば嘘っぱちの原稿を書いた前科もある私ですから、そう目くじらを立てずに、優しく読み流していただけたら幸いです。ということで、今回はこれにて。もし今後も体重が減り続けて、85kg、いや、80キロ台前半ぐらいまで落ちたら、続編にてご報告したいと思います。ではまた。