痛風

ビールと餃子

昨日、いや、もう一昨日か。いつものように午前10時、介護の夜勤を終えて、施設を出た。残業は、めったにない。何かのトラブルかよほどのアクシデントでもない限り、時間ぴったりに仕事を終えることができるのも、介護という仕事の良いところの1つだろう。

施設を出て3~4分ほど歩いたところにあるバス亭からバスに乗った。通勤の行きは電車のみでバスは使わないが、京急本線の最寄駅から施設まで歩いて17~18分と結構遠いため、帰りはバスに乗り大森駅まで行くことが多い。だったら行きもバスを使えばいいのに、と思われるかもしれないが、そこは経路が複雑というかややこしくて、説明すると長くなるので省略。とにかくこの日もバスで大森駅まで行った。

大森駅でJRに乗る。が、そのまま乗らずに、どっかで寄り道したくなるのが困ったクセである。お腹が減っているわけではない。朝食は施設で食べているからね。でも、食べるのはたいてい朝6時半から7時ぐらいと早いし、なにより、キッチンで立ったままかっ込むような朝食だから、食べた気がしないんだよねえ。べつにそういう決まりがあるわけじゃなく、普通に座って食べていいんだけど、その後片付けやら服薬(入居者に食後の薬を飲ませることね)やらバイタルチェックやら色々やることがたくさんあるため、私はいつもそうしている。

ちなみに、朝食も夜勤者がつくる。つまり、私が夜勤のときは私がつくる。と、さりげなく書いたが、普段家ではほとんど自炊をしない、たまにしてもせいぜいインスタントラーメンぐらいが関の山、という男が、入居者の食事をつくるなんて出来るのか? と、私を知る人ならツッコミたくなるはずだ。別れたカミさんなんて「絶対無理!」と断言するに違いない。何を隠そう(何も隠さないけど)一番不安だったのは私自身であった。が、やってみれば意外にも、餡汁より芋が安い、もとい、案ずるより産むが易し、というやつでしたな。今では自分で言うのもなんだけど結構さまになっている。まあ、朝食は昼食や夕食と比べると簡単で、ご飯炊いて味噌汁さえつくれば、おかずはただ焼くだけ、とか、茹で冷まして和えるだけ、といったものがほとんど。たま~にメニューに登場する卵焼きなんか、私、ここで生まれて初めてつくりましたけど、見よう見まねでなんとかできちゃうもんですな。味はどうかって? わからないけど、とりあえずみんな「美味しい、美味しい」と言って食べてくれますぜ。うれしいよね。

おっと、また話が逸れた、大森駅に着いたところであった。この日もどっかに寄りたくなって、というより、なぜか無性にカレーが食べたくなって、松屋へ。松屋は、私の中では牛丼屋ではなくカレースタンドという認識で、松屋へ行くと牛丼や定食よりもカレーを食べることが圧倒的に多い。この日も迷わず「創業カレー(並)」490円。スマホを自販機に近づけて、LINEPayで支払う。クーポンが使えるからね。紙のクーポンは使ったのを人に見られるとみみっちいと思われそうで恥ずかしいが、こういうスマホ決済のクーポンはいいよね。使ったかどうか傍から見てもわからないからね。

あ、LINEPayは残高不足か。チャージしなきゃ。あれ?チャージできない。なんでかわからんが、スマホ決済だのなんとかペイだの、結構使うくせにリテラシーの低い私は、あっさりあきらめて、PayPayに切り替える。クーポンは使えないけど、PayPayは後でボーナスが付くから、まあいいか。

ところで、LINEPayとPayPayはたしか経営統合したんだよな。するといずれどっちかに統一されるのかな? などと埒もないことを考えながら、松屋の創業カレーを食す。相変わらず、旨い。この値段でこれだけビーフたっぷりなのは素晴らしいと思う。企業努力の賜物だろう。昨年だったと思うが、それまでは360円?ぐらいだった松屋のカレーが復活した創業カレーに切り替わった時、実質値上げだ!とネットで炎上したようだが、私はいつでも創業カレーが食べられるようになってよかった、と思っている。この味なら490円は高くない。

で、さくっとカレー食って、大森駅でJRの京浜東北線に乗る。上野駅で山手線に乗り換え、ひと駅先の鶯谷へ。京浜東北線は鶯谷には停まらないからね。で、鶯谷駅で降りると、また寄り道したくなる。大森が寄り道の第一トラップとしたら、鶯谷が第二のトラップだ。第三、第四のトラップは別の経路で待ち構えている。まったく、真っ直ぐ帰ればお金も使わず、食べ過ぎもせずに済むのに、なぜか真っ直ぐ帰りたくないのは困ったもんだ。

鶯谷での寄り道先としては、ここのところ一番多いのがスーパー銭湯のサウナである。当ブログを読んで下さっておられる方ならご存知の通り、効果のほどは不明だが薄毛対策として、あるいは、気休めに過ぎないかもしれないが肥満対策として、サウナにせっせと通っている。もはや「サウナー」だな。しかしこの日は、電車の中で、待てよ、と思い直した。今夜も夜勤が入っている。清掃の夜勤だから、出勤は夜11時ぐらい。サウナに入ってから帰っても寝る時間はあるにはある。が、最近はサウナの後が意外と眠れないんだよなあ。血行が良くなると、眠くはならないのかな? 昨日も一昨日も例によってあんまり眠れてないから、今日もまた眠れないと辛いので、今日はサウナはやめとくか。大事をとって。

電車の中でそう思って、鶯谷の駅で降りた。サウナに行かないなら、真っ直ぐ帰れよ、と思いつつ、なぜか足は日高屋へ向かう。そうそう、緊急事態が解除になって、日高屋でビールに餃子、もしくは、ガストのハッピーアワーでで1杯200円の生ビール(何倍飲んでも200円!)というもっと悪いクセが復活していたんだった。先週も先々週も、サウナの後に日高屋かガストに寄った。うーん、色んな意味で、良くないなあ。でも、止められないなあ。まあ、今日はサウナに行かないから、ビールの1杯ぐらいはいいでしょう。1杯じゃ済まないのはわかりきっているけど。

というわけで、鶯谷駅近くの日高屋で、生ビールと餃子。餃子は普通の餃子とバジル餃子の2種を。バジル餃子はレモン汁につけて食べるのだが、これがよく合って美味いし、健康的な感じ(気休めだろうけど)、いいねえ。普通の餃子と比べてどっちが美味いかといえば、普通の餃子の方が美味いんだけど、両方頼んで交互に食べることで、飽きずに餃子だけを食べ続けられる。ちなみに普通の餃子は酢胡椒で食べるのが私のお気に入り。

生ビールは当然1杯では足りないが、この日は2杯で止めた。自分を褒めてあげたい。いや、その前にカレーも食ってるわけだから、全然褒められたもんじゃないか。会計は生ビール290円×2、餃子230円、バジル餃子260円、占めて1070円。消費税含む。安いよねえ。このささやかな贅沢を許してほしい。

そしてやっと帰途に着く。日高屋、つまり鶯谷駅から家までは歩いて17~18分ぐらいかな。鶯谷は最寄りではない(最寄りは三ノ輪)からちょっと遠い。が、これも運動だと思って歩く。この時、右足に少し違和感があった、ような気が、翌日振り返ってみれば、した。家に着いてすぐ横になると、生ビール2杯のおかげか、サウナに入らなかったのがよかったのか、意外にすんなり眠れて、夕方6時ぐらいに目が覚めて、立ち上がろうとしたら、ああっ、足が痛えぇ!!!

見ると右足の足首が明らかに腫れている。まるで捻挫のようだ。高校のバスケット部の時、捻挫の中で一番恥ずかしいのは、寝ているときに捻挫する“寝捻挫”だ、という笑い話があったが、まさかその“寝捻挫”? いや、違う。この痛みには覚えがある。発症したのはもうかれこれ10年以上前だが、その時は薬を飲んで1~2週間で治ったものも、その後季節の変わり目や身体が疲れた時など、年に1回ぐらい、手首や足首が急に腫れ上がってジンジン痛む。ひどいときにはちょっと身体の向きを変えただけで飛び上がるほど痛い。それこそ風が当たっただけでも……そうです、いわゆる「痛風」です。

つまり私、痛風持ち、なんですね、恥ずかしながら。たまに血液検査なんかすると、決まって尿酸値が高め。自分ではそんなに飲んでないけどなあ、というときでも身体が疲れていたりすると、すかさず手首か足首が痛み出す。それが今回は右の足首の番、というわけ。ちなみに手首か足首か、右か左か、どこが痛むかはその時にならないとわからない。

それでも、ここ1~2年ぐらいは鳴りをひそめていたので、すっかり油断していたら、ここで久しぶりに来ましたねえ。その原因として思い当たるのは――いくつかあるが、やっぱり、酒だな。先ほども触れたが、緊急事態が解除されて、夜勤明けの日高屋でビールと餃子、またはガストでハッピーアワーの生ビール200円、という悪癖が復活してしまった。さらに、このブログの仕事も含めて、打ち合わせと称する飲み会が増えてきた。その打ち合わせで使う焼鳥屋がまた、いい日本酒を揃えているんだよなあ。そこで久しぶりに飲んだ日本酒が美味しくて、ついつい飲み過ぎちゃって。そういえば、先日もコロナで休業していた知り合いのイタリアンバーがリニューアルオープンする、というので行ったら、そこでも樽酒を振舞われたっけ。

要するに、コロナ禍の間は酒を飲む機会が極端に減っていたから平気だっただけで、そこへ急に夜勤明けの生ビールやら日本酒やらがドッと来たので、身体が悲鳴を上げたんでしょうな。加えて、ここ半年ぐらいは週2日ペースだった清掃の仕事が、どうやらそれはオリンピックやパラリンピックの期間だけだったようで、先週あたりから週3~4日入ってきたのも大きな理由だろう。清掃が週4日入れば、介護の週2日と合わせて、週6日夜勤が続くことになる。介護は時間的に1回の夜勤で2日分、という見方もできるから、それで換算すると週に8日。そりゃ疲れますわな。疲れと酒の復活のダブルパンチが同時に来て、持病の痛風が発症、というわけだ。

幸い、今回は症状としては軽いほうだったようで、今までは一度痛み出すと4~5日は痛みが続いたが、今回は2日ほどで痛みは引いた。清掃の仕事も介護の仕事も休まずに済んだので、ホッとしている。3年ほど前に入院したとき大量に処方してもらってまだたくさん余っているカロナールという薬を飲んだのだが、これが効いたかな? それにしても、こういうとき、すぐ休めるのがバイトのいいところ、なんて言われることもあるが、実際はやっぱり、そうそう休めないよねえ。どちらもシフト制だから、私が休めば急遽、代わりを探さなければいけないわけで、そういう迷惑をかけたくないから、簡単には休めない。介護の仕事で、当日電話をかけて来て、「あの~、言いにくいんですけでど、今日は女の子の日だから、休みます」と言った女の人(女の子、ではない。推定30過ぎのオバさんだ)がいたけど、そういう人には私はなれない。それが良いのか悪いのか、わからないけどね。ということで、今回はこのへんで。ちょっと尻切れトンボの感じがしないでもないけど、ご容赦ください。