夜勤のアルバイトで生計を立てているしがないオッサン(私のことです)の、ほぼ唯一の楽しみ。それが“夜勤明けの1杯”であることは、過去ブログでも何度か書いているので、当ブログの希少な読者様であればご存じのことでしょう。え、ご存じない?まあ無理もないか。なにしろ書いた本人も何をどう書いたかよく覚えていないぐらいだからねえ。
それはそうと、この“夜勤明けの1杯”、とある事情によりしばらくの間中断していて、その後ややこしい事情があって不本意ながら、いや、本心ではめでたく、再開した。というのは前回で書いた。そして再開してからは、以前と行く店も行く街も状況も変わったので、その話もするつもりだったのだが、前回では中断していた理由と、再開したややこしい事情を説明しているうちに文章ダラダラ長過ぎて、長いのはいつものことだけど前回はいつもにも増してあまりに長過ぎて本題に入れなかったので、一旦原稿を〆て、本題は今回にまわすことにした次第。いや、プロのライターとしてはお粗末で面目ない。だけど実情、現在はライター業は開店休業状態なので、まあ大目にみてやってくださいな。
中断する以前、私が夜勤明けに呑みに行くのは、いつもたいていJR大森駅周辺の24時間営業の居酒屋、もしくは朝から開いているファミレス、たまにくら寿司か焼肉ライク、しかし最も多いのは日高屋、といったローテーションであった。そういうふうに書いたのかよく覚えていないが、今思い返せばそういうかんじのローテーションであった、と記憶している。
とくに最後の方は、どこへ行こうか考えるのも面倒臭くて、とりあえず日高屋、何も考えずに日高屋、気がついたら日高屋で、生ビールと餃子、もはやローテーションなど頭になく、ほぼ日高屋一択の状況が続いていた。JR大森駅から直結、ではないけど、感覚的にはほぼ直結。駅出口から徒歩20~30秒ぐらいで行ける至便な位置にあったからね。いや今もあるけど。
ところが、とある事情、すなわち我が店「Mr.Spice」でデリバリーの注文が入ると私が配達に行かないといけない、という状況になると、バイクといえどもビールといえどもお酒を飲んで運転はできないから、しょうがなく、断腸の思いで生ビールは封印。代わりにそのすぐ近くにある松屋で朝定食を食べるのがルーティンになった。皆さんはご存じでした?松屋の朝定食って、ご飯の特盛が普通盛りと同じ値段なんですよ。それを目当てに。
松屋の朝定食のメニューでは、いつもWエッグ定食を特盛で。選べる小鉢はそのときの気分によるけど、やっぱり牛小鉢が多かったかな。サラダには胡麻ドレ一択。贅沢にも2つの目玉焼きを特盛のご飯に乗せ、甘口のソースをかけてワシワシとかき込む。醤油もあるけど、私はどちらかといえばソース派だな。とくに松屋の甘口ソースは目玉焼きを食べてしまってご飯が余っても、ソースかけご飯でいける。さらにバーベキューソースで味変も。いや、いい歳して子供みたいな食べ方でお恥ずかしい。
おっと、松屋の話ではなかった。再開した“夜勤明けの1杯”の話であった。まず変わったのは、場所、というか、街、である。再開前は主に「大森」で飲んでいだが、再開後は主に「日暮里」で飲むようになった。これはなぜかというと理由は簡単で、中断している間に引っ越しして通勤ルートが変わったから。これも過去ブログで書いたが、我が新居となったアパートの最寄り駅は舎人ライナーの「熊野前」という駅だけど、この駅周辺には何もないので、舎人ライナーの発着駅である「日暮里」で乗り換える前にちょっと寄り道、というのが今の夜勤明けに帰宅する際のルーティンとなった。とはいえ、そのときの気分で場所が変わったりもするので、ルーティンというほどでもないか。
ちなみに引っ越しとほぼ時を同じくして、職場も変わった。ただ、新しい職場は元いた施設から歩いて行けるぐらい近くにある同じ会社の系列の施設。つまり異動ですな。以前の通勤往路は京成本線「梅屋敷」駅で降りて徒歩15分ほど。復路は京成バスに乗ってJR大森駅まで行ってそこからJRに乗り「鶯谷」で降りることが多かった。
そして異動した現在は、往路も復路もバスを使うようになった。新しい職場となった施設は駅からずいぶん遠いから。またバスも近くまで行く路線は本数が少なくて、通勤はかなり不便になったが、その話はまたいずれ。それにしても、夜勤明けの帰宅時、バスに乗ってJR大森駅まで行くルートは以前と変わらないのに、なぜ以前のように夜勤明けの1杯を大森駅周辺ではなく、日暮里駅で飲るようになったのか?
その理由はずばり、お気に入りの店ができたから、である。以前のように大森駅でひっかからず、そこで飲みたいのをぐっとこらえて電車に乗り、わざわざ日暮里駅まで行って、そこでやっとありつける夜勤明けの1杯。それほどのお気に入りの店とは―――その前にちょっと日暮里駅近辺で私が知ってるお店をいくつかご紹介。もったいぶってすいません。
というのは、以前、三ノ輪に住んでいたとき、JR日暮里駅からは遠いけどなんとか歩ける徒歩圏内だったので、なじみがあるといえばあるし、行ったことがある店もいくつかあるから。その中でも一番有名なのは、立ち食い蕎麦の「一由」でしょうな。都内の立ち食い蕎麦界隈では必ず名前が挙がる名店。名物は太蕎麦とジャンボゲソ天、かな。ここで修業した人が独立(暖簾分け、かどうかはわからないが)して出した店もたくさんある、らしい。
この「一由」のすごいのは、相当古い店なのにいまだに行列ができること。いくら店が狭いとはいえ、回転の速い立ち食いで行列ってすごない?しかも24時間営業だから、空いてる時間を狙って来る人も多そうだし、私もそうするが、それでもかなりの確率で行列にぶち当たる。この間なんか、舎人ライナーの終電に乗り遅れ、日暮里駅から自宅まで歩いて帰るハメになり、じゃあ「一由」で蕎麦でも食って帰るか、と思って行ったら、そんな時間でも行列ができていたからね。
もう1店、蕎麦じゃなくてうどんの「おにやんま」も取り上げたい。系列店が新橋や五反田、人形町などいくつかあり、日暮里駅前の店は比較的新しいようだが、できた当初、おっ、ここにも「おにやんま」ができたか、と、見つけたときは嬉しかったなあ。というのも、私が以前某夕刊紙に所属していた頃、当時は飲んだり遊んだりした後の深夜の新橋で、〆のラーメンでも食べるか、というシチュエーションが結構あったが、いや、健康のためにはラーメンよりうどんの方がまだましだろう(気休めかもしれないが)、ということで新橋の「おにやんま」にはよく行った。
某夕刊紙との契約を切られ、フリーライターとしての仕事も少なくなって介護施設でアルバイトをはじめてからは、人形町が通勤途中の乗換駅だったので、帰宅途中に人形町の「おにやんま」にも何度か行ったことがある。まあ要するに好きなんですな、「おにやんま」が。うどんといえば丸亀製麺とかはなまるうどんとかが有名で、それらも好きで何度も行ったことはあるが、どちらかとえば、やっぱり私は「おにやんま」派だなあ。
「おにやんま」で私がよく食べるのは、ぶっかけ鶏天。汁がないやつね。これ、最初に食べたときは、あれ、ちょっと味が薄いな、と思ったが、何度か食べているうち、卓上に置いてある醤油をひと回しかけると、劇的に美味しくなることに気がついた。うどんというより醤油の偉大さを改めて教えてもらった。なんていうと大袈裟だけど、それほどの味変であった。まあ、それぐらいシンプルな料理だということだろう、ぶっかけうどんが。
ちなみに「おにやんま」の新橋店と人形町店は完全に立ち食いである。椅子はない。が、日暮里店では椅子に座って食べることができる。「おにやんま」の系列の中では大きい方なのだろう。という話はどうでもいいが、「一由」にしても、「おにやんま」にしても、1人でさっと食べてさっと帰るような、いわゆる和のファーストフード的な店である。こういう店を、行ったことがあるから、と紹介すると、いかにも独身男の侘しい食生活を現わしているようで、なんだかな。
なので3店目はファーストフードではなく、ゆったり落ち着いて飲める店を。その名も「わが家の食堂」という、店名からしていかにも家庭的な感じのこちらは、なんといっても24時間営業がウリ。夜勤明けの変な時間に飲むことが多い私にとっては大変ありがたい店である。といっても、引っ越しする前はたった1回しか行ったことはないけどね。機会がなかったから。
しかし引っ越し後、Youtubeで見て、そうか、ここもあったな、と思い出し、引っ越ししてすぐぐらいに再訪してみた。Youtubeではなんかリニューアルしたみたいなことを言ってたが、久しぶりに行っても以前とさほど変わった様子はなく、ショーケースにずらっと並んだ総菜や小鉢を自分で選んでとって、ご飯と味噌汁はよそってもらう、というスタイルはそのまま。味噌汁は豚汁がおすすめのようで看板にも出ていた、というのが変わったところかな。覚えてないけど。
このセルフで好きな総菜を選び放題取り放題、というシステムが私は大好きだが、当たり前ながらタダではなく、一品一品は安くてもたくさんとればそれだけ価格は上がる。私のように、あれもこれも、とついつい多くとってしまいがちな人は、結局高くついてしまうから要注意。総菜1品に小鉢にご飯と味噌汁、いや豚汁をつけて定食に。それだけで収まる人にはいいと思う。焼き魚定食なんかにすると健康的だよね。
それとは別にカレーライスなども注文できて、忘れちゃいけない生ビールも飲める。が、生ビールは500円だったか600円だったか忘れたがまあ普通の値段で、私のように生ビールの安い店、例えば日高屋とか餃子酒場とかガストのハッピーアワーとか、そんな店にばかり行ってる身からすると、高い。まあ24時間営業だし、日暮里にこんな店がある、と知っておけば、いつか開いてて助かった、と思う日も来るだろう。
さて、他に日暮里で行ったことある店は――と考えると、うーん、あとはさほど取り上げるべき店はないなあ。日暮里駅は、詳細なデータは面倒臭いので調べないけど、乗り入れ路線も結構あってそれなりに大きく、繁華街というか飲食店の数もかなり多い。誰もが知るチェーン店はたいがい揃っているし、たとえば駅前の「馬賊」のようにしばしばメディアに載る有名店もたくさんある。
けど、私は意外に行ったことがある店が少ないのは、やっぱり、これまで、日暮里で飲もう!という機会がなかったからね。乗り換えやなんかで素通りすることはしばしばあったが、たとえば過去ブログで書いた鶯谷や入谷のように、いい店を探して探索する、なんてことはしたことがなかった。でも、引っ越しを機に、ちょっと日暮里を開拓しようか、と、思っていたら、開拓する前にもうお気に入りに店が見つかっちゃった、ということで、おまたせしました。いま現在、私が夜勤明けに行く店の第一候補をご紹介、しようと思ったんだけど、ごめんなさい。それは次回にして、今回はこれまで。もったいぶったうえに次へ回すなんて、相変わらず勝手だなあ、とお思いでしょうが、まあ文字数の関係もありますのでご勘弁。ではまた。