ついこの間新年を迎えたばかりと思っていたのに、気がつけば、あああっ、という間にもう4月も半ば。まったく、時の流れの速さには呆然とするばかり。だけど、いま思い返せば、今年は初っ端から、なんだかいつもの年とは違ったんだよなあ。まだ3カ月しか経ってないけど。
世間的には、まさかの元旦に能登半島で大地震発生。続けて羽田空港で航空機の衝突事故なんかもあり、不穏の空気に包まれた中で幕を開けた2024年。しかしその後はなんとなく落ち着いて、ドジャースへ移籍した大谷翔平選手の元通訳・水原一平氏の賭博問題には驚いたけど、その他はとくに特筆すべきものはないかな。と思いきや、また台湾で大地震。やはり今年は激震の年になりそうですな。
個人的には、これについては書こうか書くまいか迷っていたんだけど、一応、報告だけしておきます。今年2月1日、母が亡くなりました。昨年12月に帰省したときは、認知症が進んではいたものの、身体的にはまだ大丈夫、と思ったのに、今年に入ってすぐ入院。いつまでもつかわからない、というので、経済的にも時間的にも余裕はない身ながらなんとか都合をつけ、再度帰省すると、その1週間後ぐらいにタイミングがいいのか悪いのかわからないが、永眠致しました。
それから通夜、葬式と進み、初七日は葬式と同時に済ませ(そんなことができるんですねえ。初めて知りました)、一旦東京へ戻った後、四十九日でまた帰省。普段はせいぜい5~6年に一度ぐらいしか帰省しない私が、この3カ月で3回(昨年12月もあわせて)も帰省したのだから、やはり今年2024年は私にとって特別な年になった。極めて私事で恐縮ではありますが。
その葬式や四十九日の詳細については、機会があれば書く、かどうかはわからない。けど、とりあえず、そんなこんなで例年より多忙な年の初めではあったので、例年ほどは時の流れの速さは感じなかった。はずだけど、終わってみれば、喉物過ぎればなんとやら、ですな。いずれにしてもあっという間の4月である。
それでも、忙しいとは言いながら、遊ぶぶんはしっかり遊んだここ3カ月でもあった。遊ぶというより、充実した余暇を過ごした、というべきかな。というのは、過去ブログで再三述べているように、私はなぜか昨年秋頃から芸術鑑賞に目覚め、ヒマさえあればせっせとと美術館や博物館へ足を運んでいる。それはもう、まさに手当たり次第、ともいうべき勢いで。
従ってこの3カ月も、めったにしない帰省を3回もしたにも関わらず、その合間にも何度か美術館や博物館へ行った。それにしても、よく行ったよなあ。忙しいというわりに。いや、よく考えたら、ほんとはそれほど忙しくはなかったのかな?仕事は休みをとって、というか、シフトを減らしてもらったからね。そうすると、休んだら休んだだけ収入が減るしがないバイトの身。なおかつ、帰省するたびに飛行機代だのなんのかんので出費が痛い。経済的には大変厳しい3カ月でもあった。
けど、まあ、それは事情が事情だけにしょうがないと割り切って、とにもかくにも、そうしてせっせと美術館や博物館へ足を運んだなら、それはブログの恰好のネタになる。というわけで、これまで何度か当ブログで書いてきたのはご存じの通り。振り返れば、やまと絵からはじまり、京都南山城の仏像、ゴッホ、ローマ、モネ、キュビズムと続き、さらに、その後行ったけどまだ書いていない展覧会もいくつかある。もう一度言うけど、よく行ったよなあ。
そして今回も、行ったけどまだ書いていない展覧会について書かなきゃ、と思っていたけど、ちょい待てよ。あんまり美術館や博物館の話ばかりでは、数少ない当ブログの読者が飽きるやもしれぬ。ただでさえ少ない読者の中で、美術館や博物館に興味がある人はさらに少ないだろう。なのでここらで一つ、インターバルというか、野球でいえば見せ球を投げておくのもいいだろう、と、余計な気を回し、見せ球にふさわしいネタはないものか、と考えてみたらありました、ぴったりなのが。そう、タイトルにもした「すっじゃ!すみだ」です。
これは何かというと、正式には『地焼酎inすみだ~地焼酎を飲みながら蔵元と語り合いましょう~』というイベント。東京都墨田区のJR錦糸町駅近辺で毎年行われており(コロナ期を除く)、11回目を数える今年は昨3月3日に開催された。つまりもう1カ月以上前の話になりますが、そこはお許しください。当初はブログに書くつもりはなかったもんで。
その内容は、事前申し込み制で1人3500円を予め決済しておき、当日受け付け場所へ行くと、陶器の焼酎カップやマップ、どの店にどんな蔵元が来ているかがわかるカードの束などがもらえる。焼酎カップは毎年変わって、今年は波佐見焼だった。昨年までは地元・墨田区にゆかりのある窯元の陶器が使われていたが、なぜ今年は遠く九州は長崎県の波佐見焼かというと、今回は長崎県の蔵元が初参加したから。ということらしい。
波佐見焼は、私も某夕刊紙の記者時代にプレスツアーで現地へ行って、窯元をいくつか見学したことがある。その特徴は、「特徴がないのが特徴」、と現地の人が自ら言うだけあって、きわめてシンプル、かつ、実用的。その使いやすさで近年東京でも人気だが、当日もらったカードには、「特徴である美しい白磁に繊細は藍色の染付と、モダンなデザインで、老若男女の心をつかんでいます」と書いてあった。きわめてシンプル、とは失礼だったかもしれぬ。すまんすまん。
またそこには、「400年以上の歴史を持つ波佐見焼焼ですが、永く有田焼として扱われていたため、近年までその名が知られていませんでした」とも書いてあり、それは初耳だった。現地まで行って見学したくせに、なんも知らんな、オレ。
(左が当日もらった波佐見焼。デザインは各種あり。右は去年の焼酎カップ。窯元は不明)
話を戻す。この焼酎カップを持って参加店舗に行くと、その店にはるばる九州から、この日のためにおらが自慢の焼酎を携えてやって来て、スタンバイしている蔵元の人から、自作の焼酎を注いでもらえる。つまり焼酎カップがフリーパスの代わりというわけで、何杯飲んでもタダ。いや、タダじゃないか。参加費3500円だから、要するに3500円で焼酎飲み放題のイベント、ともいえる。
つまみは各店がそれぞれ焼酎に合わせた「すっじゃメニュー」を用意。キャッシュオン形式で注文する。たとえば我々が一軒目に行った「プティヴェール」という店では、「生ハムとグリッシーニ」(500円)、「タコのカルパッチョ」(500円)、「和牛のハンバーグ串」(350円)の3品が「すっじゃメニュー」だったが、その中でもハンバーグ串が、旨い!と皆が大絶賛。それもそのはず、この店はもともと、というか今でもハンバーグ専門店だからねえ。
そんなふうに、焼酎だけでなく錦糸町各店の料理も楽しめて、錦糸町に馴染みのない人なら初めての店と出会えたりもする、飲み歩きのはしご酒。焼酎好きならなんといっても、めったに会えないであろう九州の蔵元の人と直接会って、話もできる、というのが最大のポイント。焼酎の造り手と焼酎談義できるなんて、最高じゃね。
私はもう何度も参加しているが、連れて行った人は皆、楽しい!と言ってくれる。また来年も行きたい、とも言う。そう言われると私も嬉しくなって、また来年も、その次の年も、と、ほぼ皆勤賞。コロナで中止になった年以外は毎回参加しているんじゃないかな?
それにしても、今回で11回目とは、ねえ。じつは、このイベントの主催者は、何を隠そう、私の知人である。いや、ただの知り合いではないよ。私とはかなり親密な仲(と、私が勝手に思っているだけで向こうはどう思っているかわからないが)で、たま~に、だけど一緒に仕事をしたこともある。つまり、ライター仲間ともいえる仲だ。
この人が、じつに、驚くほどの実行力とバイタリティの持ち主で、「すっじゃ!すみだ」の他にもさまざまなイベントを錦糸町で実施している。たとえば「すみだストリートジャズフェスティバル」とか、「ニクオン」(肉のフードフェスと音楽フェスのコラボイベント)とか。
今でこそあちこちで行われている「バルウォーク(街バル)」が、まださほど知られてない頃から、走りというか、先駆けて墨田区で仕掛けたのもこの人だ。いや、ほんと、すごいんすよ。女性なんですけどね。私なんか、いつも、会うたびに感心させられている。いつも忙しそうであんまり会ってくれないけど。
そんな彼女とのご縁により、私は彼女が主催するイベントはほとんど、多分「バルウォーク」が最初だったと思うが、初期も初期から参加している。「ニクオン」に至っては私、運営側としても参加したからね。具体的にいえば、出店でベーコン焼いたり、生ビールを売ったり、そんなこともやったなあ。いや、楽しかった。残念ながらコロナで中止になったけど、今年あたり復活してほしいなあ。「すっじゃ!すみだ」も復活したんだから、可能性は十分ある、と私は思っているが、さていかに。
なので当イベント「すっじゃ!すみだ」も、第1回目から毎年欠かさず、コロナで中止の年以外はすべて参加している。と思っていたが、11回となると、ちょっと記憶に自信がない。そんなに行ったっけ?オレ。まあ、行ったんだろうけど、覚えていないなあ。まあ、コロナからの復活後、新たにアラドラのメンバーで行った去年と今年だけ覚えていりゃいいか。
というわけで、今年も行ってきました、「すっじゃ!すみだ」へ。というのが今回の話。昨年も楽しかったけど、今年も楽しかったですよ~。と、楽しんだ様子を見せびらかしたかったけど、残念ながら写真はなし。当初ブログに書くつもりはなかったので、写真撮ってませんでした。いや、書くつもりがなくても、念のために写真は撮っておくべきですなあ。なんにしても、どこへ行っても。
ちなみに、参加店舗は毎年変わって、昨年はJR錦糸町駅の北口の店が中心だったけど、今年は南口で開催。初参加の店があれば、お久しぶりの店もあり、常連の私でも楽しめた。今年初参加の人も、来年はもっと楽しめるに違いない。ということで、最後に、今回の参加店舗&蔵元をここに記しておく。参考になれば幸いである。
・「ちょい呑み まる大本舗」=「小玉醸造」(宮崎県日南市)
・「うまいもん酒場 魚鶏」=「小牧蒸留所」(鹿児島県さつま町)
・「プティベール 錦糸町本店」=「松露酒造」(宮崎県串間市)
・「和のごはん みかづき」=「高﨑酒造」(鹿児島県西之表市:種子島)
・「割烹 坊々樹」=「大山甚七商店」(鹿児島県指宿市)
・「No concept」=「重家酒造」(長崎県壱岐市)
・「ヌーベルバーグ」=「高良酒造」(鹿児島県南九州市)
・「和風居酒屋琴」=「富田酒造場」(鹿児島県奄美市)
・「やき鳥 信玄」=「宇都酒造」(鹿児島県南さつま市)
・「百宴香(ももえんか)」=「国分酒造」(鹿児島県霧島市)