マスク

コロナとマスク

オミクロン株。来るぞ、来るぞと思っていたら、やっぱり、というか、予想を超えるスピードで、あれよあれよと感染者数が跳ね上がってきましたね。どうやら恐れていた第六波は、もはや避けられない模様。やれやれ、またしても自粛だの飲食店の営業停止だの、我慢の日々が繰り返されるんでしょうか。それとも、過去の経験を活かして、昨年ほどひどいことにはならずに踏みとどまれるのか、岸田総理はじめ政府の手腕が問われます。

と、書きながら自分でもありきたりだなあ、と思う文章はこれぐらいにして、いつものように個人的なくだらない話をします。ちなみに、コロナで過去の経験、といえば、人それぞれに思い出すものは色々あると思うけど、私の場合でいえば、「マスク」かな。ほら、マスクが品薄になって、薬局やドラッグストアの棚から消えた時期、ありましたよね。

マスクが手に入らない、からといって、マスクをしないで街を歩けば、白い目でみられるし、電車にも乗れないし――しょうがないので、どこぞの店でいついつ入荷、なんて情報を聞きつけては、朝も早よから薬局やドラッグストに突如として現れた行列に並んで、それ以前の2~3倍、いや、下手すると5~6倍以上の値段で買わされた、という人も多かったのではないでしょうか。

あと、普段はどう考えてもマスクとは関係ない飲食店などが、なぜかいきなり「マスクあります!」とか、やってたなあ。そのマスクもやっぱりバカ高くて、しかも得体の知れない品質で、どこからどういうルートで仕入れたものなのか、今考えても不思議だよね。そんな怪しげなものでも、この際ないよりましだ、とばかりに飛びついた人も、いたとかいなかったとか。振り返ってみれば、あの騒ぎは何だったんだ?

あ、私はもちろん、行列には一度たりとも並ばなかったし、バカ高いマスクは意地でも買わなかった、っすよ。じゃあ、どうしたかというと、みんなもやったと思うけど、使い捨てマスクを洗って2度、3度と使い回し。最初はどうかと思ったけど、やってみたら意外に抵抗なかったな。あと、介護施設には優先的に入ってくるルートがあるらしく、仕事で行けばもらえたので、こっそり2、3枚多めにくすねたり、したっけなあ。

そうやって急場を凌いでいるうち、やがてはその騒ぎも収まるだろう、と思っていたら案の定、マスク入手困難の期間はさほど長くは続かずに、ポツポツと少しずつ、薬局やドラックストアに出てきたマスクは、依然として高価だったり、お一人様○個まで、などの制限があったりはしたものの、並ばずに買えるようになるまでにそう時間はかからなかった、と記憶している。マスクとは関係ないところでで売られていた怪しいマスクも、日に日におもしろいように値段が下がっていったなあ。

それでも、私は買わなかった。だって、コロナ以前はたしか、1箱50枚入りで4~500円ほどで売られていたマスクだぜ。それと同じものが1000円以上なんてけしからん、と、生来のドケチ根性を発揮して、1箱500円を切るまでは絶対に買わないぞ、と決めていた。

ところが、豈図らんや、自宅近くのドラックストアで1000円前後、安いところで800~900円ぐらいまで下がったマスクが、それ以上は安くはならない。価格の下落がそのあたりでピタリと止まった、感じであった。う~ん、使い捨てマスクの使い回しもいい加減にして、そろそろ新しいマスクを買わなきゃ、なんだが、そんな値段ではまだ買いたくはない。せめて500円ぐらいにならないと。そのぐらいで売っているところはないものか。

そんな矢先の、或る日のことでございます。いつのように仕事へ向かっていたアタシは、駅から職場へと続く商店街を歩いておりまして、ふと、気がつきますと、とある店の前に、箱入りのマスクが山積みされているじゃありませんか。ふん、どうせ高いんじゃろう? そう思ったアタシの目に飛び込んできたのが、なんと、1箱298円!の文字。ほう、こりゃあ安い。これは買いじゃ、買いじゃ。嬉しくなったアタシは、すぐさま持てるだけ買い込みました。その翌日もさらに買い込みまして、友人知人にお裾分けまでしたものでございます……。

と、なぜか日本昔ばなし風になってしまったのに別段意味はない。まあ、それぐらい、予想外に安いものを見つけて嬉しかった、ということだ。なにしろ298円、ですぜ。500円ぐらいでないものか、と探していたところに、もう一度言うけど、298円(しつこいな)。その時点では文句なしの最安値だったろう。もっとも、その後、上野のアメ横で198円を見つけて、ちょっとガッカリしたことは、ここでは触れないでおく。

その298円マスクを見つけたのは、現在も働いている介護施設への通勤途中である。ちょうど1年ほど前かな。じつはそこを通るのは、久しぶりだった。というのは、私、今働いている施設は自宅から遠いので、1年ほど勤めた後に一度辞めて、自宅に近い施設に移ったのだが、そこがどうもやり辛い、というか、雰囲気が合わなくて、3ヶ月で辞めて、今の施設に出戻った、という経緯がある。このへんの話は、いずれ機会があればまた改めてしたいが、とにかくそんなわけで、ほぼ1年ぶりに再度通いだした施設への通勤途中にある商店街に、その店は、1年前にはなかった、ように思う。

その店の場所は、駅から商店街に入ってすぐのわりと好立地なのだが、以前はたしか八百屋と魚屋が一緒になった、ごく小さな市場のようなところだった。その八百屋だった部分がそっくり食料品や雑貨などの売る店に変わっていて、ガランとした倉庫の中に商品をダンボールごと雑に並べた、という感じだった。ちなみに隣の魚屋はまだやってはいたが、休みがちだったので、潰れるのは時間の問題だったろう。

件の298円マスクは、その店の店頭に山積みされていたわけだが、マスクを買おうとして、ついでに他の雑に陳列されている商品をざっと見ていると、おっと、驚いたことに、1本5円から25~35円ぐらいの飲み物や、4、50円ぐらいのお菓子なんかが、種類はすくないけど、売っているではないか。

なんだ、この店は?と思ってよくよく店内を見回すと、どうやらその店はフードレスキューと称し、食品ロスをなくそう、という主旨のもと、消費期限切れや賞味期限れ間近の商品を大幅デスカウントして売っている、らしい。ホームページを見ると(気になったのでわざわざ調べてみました)、本社は神奈川県の平塚にある、元々は卸問屋の会社がはじめた店舗で、主に横浜など数カ所で展開しているうちの1つがここ、ということであった。

これはいい店を見つけたな、と思いましたね。介護施設での夜勤は、食事は出るけど入居者、つまり老人と同じメニューなので量が少なめ、勤務時間も長いので腹が減る。だからいつも通勤途中でお菓子やら飲み物やらを買っていくのだが、それがこんな安く買えるとは嬉しい限り。消費期限や賞味期限なんか気にしない。生鮮食品ではなければ多少古くでも大丈夫。安けりゃね。

そんなこんなで、298円マスクをきっかけに知ったその店には、介護施設への出勤途中に必ず寄るようになった。買うのはもちろん10円20円、高くても50円60円ぐらいの飲み物やお菓子。結構たくさん買っちゃったなあ、と思っても会計は100円か200円そこらで済むから、大助かりだ。まさに私のような貧乏人の味方である。

ところが、さすがに10円20円では商売にならないとみえて、そうした破格値のものは行く度にみるみるうちに減っていく。通いだして2~3ヶ月もすると、ほとんどの食品はそこらのスーパーと同じくらい、安くても半額、ぐらいのものしかなくなってきた。う~ん、これじゃあ、あんまりこの店で買うメリットはないなあ、と思っていたら、やがて食品以外の、たとえばシャンプーや洗剤、あるいは、文房具やちゃちな食器など、いわゆる雑貨が増えてきた。

しかし当方、雑貨にはさほど興味はない。そもそも通勤途中に雑貨なんかも買い物はしないからね。でも、まあ、場所が便利だし、それに時折、以前のような破格値の飲み物なんかが出ていることもままあるので、相変わらず通っているうち、シャンプーの隣に、“洗い流さないトリートメント”と謳っている小さなボトルを見つけた。メーカーはパンテーン、だったかな?

手に取って注意書きをよく読むと、整髪料代わりに使えて髪を保護する、という。そうか、これは薄毛対策にいいかも。そもそも私、もう何年、いや、もう何十年も、整髪料なんかつけたことがない。寝癖は水をピッピッ、で終わり。だからこんな商品があることさえ知らなかったが、以前ブログでも触れたように、ここのところ悩んでいる薄毛に、これはいいかも。外出前にちゃっちゃっと頭につければ、薄毛対策とエチケット、その両方を兼ねる、ことが、できんじゃね? これを、一石二鳥、と言えるのかはわからないけど。

問題は、これ、明らかに女性向けの商品、なんだよね。男性向けの商品は売ってなかった。でも、待てよ。女性の髪に良いのであれば、男性の髪にだって、悪いはずはない、だろう。そう思って、試しに買ってみた。値段も298円と安かったし。使ってみたら、案外いい。まあ、薄毛対策はそう簡単に効果はでないだろうから置いとくが、少なくとも整髪料として使えて、何より香りがよくて、気に入った。そうか、これ、定価で買えば結構高い商品なのかも。だから品質がいいのかな?そう思いさらに2、3本買った。そのボトルは小さくてすぐなくなるからね。

そうして使っていたらやっぱりすぐなくなったので、まとめて買いだめしておくか、どうせ安いし。と思いつつ、でも、まあ、山積みされていて在庫はたくさんあるようだから、そう慌てなくてもいいか、と悠長に構えていたら、甘かった。意外に早く売り切れたようで、気がついたら店頭から消えていた。しまった、あるうちに買っとくべきだった、と後悔したが、もう遅い。後の祭りである。

しょうがないので、次に、同じくらいの値段だったトリートメント(これは洗い流すタイプのやつね)を買ってみた。これも普段使っているものよりいい感じ。やっぱり、女性向けでも高価なやつなら男性にも良いみたい。そう都合よく解釈して、そのトリートメントもさらに2、3本、ついでにそれよりちょっと高いが、ブランド名(ちなみにLUXという、聞いたことあるブランドだった)からしてこれも定価はかなりお高めと思われるシャンプーも、2、3本、買い貯めた。いや、いっぺんに買ったわけじゃないですよ。そういうのは重たいから、電車で結構遠くから来ている身としては買いづらい。だからその店に寄ったごとに1、2本、少しずつ買っていった。

あれ?マスクの話をしていたはずなのに、いつの間にかシャンプーやトリートメントの話になってしまったが、まあ、いいか。もう少しこの話続けます。

というわけで、現在、私は女性向けのシャンプーやトリートメントを使っている。それ以前に使っていた「マーロ」という男性向けブランドが、いまいち効果が実感できなかったので、その次は何を使おうか、と考えていたタイミングだったからちょうどよかった。で、その女性向けのシャンプーやトリートメントを使ってみて、薄毛は改善したのか? 気になりますよねえ。でも、ちょっと待った。もったいぶってすまんが。

じつはそのトリートメントも、ほどなくして売り切れてしまった。やっぱり破格値だけに、売っているときに買っとかないとダメだな。そう思って、今度はその隣に並んでいた、同じくLUXのトリートメントを買った。これは値段は198円とさらに安いのだが、なんだかボトルのパッケージが簡素でそっけなくて、もしかしたらLUXといえども廉価版なのかも、と思って最初は手を出さなかったやつ。だが、もうトリートメントはそれしかなかったので、仕方なく買った。

私の場合、シャンプーやあんまり減らないが、リンスやコンディショナー、トリートメントなどの類はすぐ減る。使い方が悪いのかもしれないが、シャンプーに比べてトリートメント類の減りが異常に早い。だから、そのLUXも、まだ1本も使わないうちに3、4本買いだめした。安いからいいや、と思って。

で、しばらくの後、そのLUXのトリートメントを使いはじめてようやく気がついたのだが、それはモイスチャーなんたらいうやつで、なんでも黒髪に良い、らしい。白髪染め、とまではいかないが、続けて使えば白髪を減らす効果があるんだとか。ほんとか?と疑いながらも、もし本当なら、これぞケガの功名、毛が、だけに(無理やりの駄洒落で失礼!)と、小躍りの私。なにしろ、最近ワカメをあんまり食べてないからなあ。

あ、どうして急にワカメなのか、わからない方は当ブログの「薄毛対策」の回を読んでね。とにかく、ワカメを食べると白髪が防げる(嘘じゃないよ、私はそう信じてます)とわかっていながら、一人暮らしの不規則な食生活の悲しさで、最近はあんまりワカメを食べることができていない私、またまた白髪が増えだすかなあ、と心配していたところだったから、これは嬉しい。

そしてなんとなんと、今ではすっかり、とまではいかないが、ほとんど、白髪はなくなった。よく見ると前頭部にチラホラと残ってはいるが、パッと見た目では、白髪なしの黒髪と言っていい、と思う。嘘だと思う方はぜひ一度実物(私の頭のことですが)を見てもらいたいもんだ。え?白髪はいいけど、薄毛はどうなったかって?……いやあ、まあ、それはその、もうちょっと、長い目で、見てやってはくださらんか、ということで、今回はここで終わり。薄毛の話は、またいずれ。